3年ぶりに復活したトヨタの新型「RAV4」。たくましさを感じる外装デザインだ(田村尚之撮影)
3年ぶりに復活したトヨタの新型「RAV4」。たくましさを感じる外装デザインだ(田村尚之撮影)
 トヨタ自動車は10日、スポーツタイプ多目的車(SUV)の新型「RAV4」を売り出した。日本では2016年以来、3年ぶりの再販となる。1994年にデビューした初代のコンセプトを見つめ直し、スポーツ要素が色濃いモデルとなった。

世界初の新システムも搭載

すっきりとした印象の室内はオフロード志向のデザイン(田村尚之撮影)
すっきりとした印象の室内はオフロード志向のデザイン(田村尚之撮影)
 新しいRAV4はたたずまいからしてたくましい。今やSUVは世界的な大ブームとなっているが、主流は街乗りが基本のオシャレなクルマ。そんなライバルとはやや趣が異なる。

 開発陣は「SUV本来の“ワクドキ”が生まれるクルマ」というコンセプトを掲げ、オンロードでもオフロードでも気持ち良く走るクルマを目指した。初代は乗用車ベースのSUVという新しいジャンルを作ったが、25年がたった今はそれが大多数。存在感を放つにはプラスαも必要だった。

 実際に新型RAV4を走らせてみると、確かに気持ち良い。ハイブリッドモデルと排気量2リットルのエンジンを搭載するモデルでは、舗装路での乗り味はそれぞれ「ゆったり」と「機敏」で少し異なるが、砂利道などオフではともにシャープ。モデルにより3種類の4輪駆動システムを搭載する凝った設定もRAV4の個性を表している。

 2リットルのガソリンモデルに搭載される「ダイナミックトルクベクタリングAWD」は世界初の新システムという。走行状況に応じて前後輪に加え、後輪の左右も独立して駆動力を制御する。オンでもオフでも思った通りの走行ラインを取れ、とてもスポーティーな印象だ。

搭載の2リットルエンジン新開発

 2リットルエンジンは新開発で、低速域で力が出る設定になっており、171馬力という数字以上の力強さを感じる。無段階変速機(CVT)との相性も良く、機敏な走りが楽しめる。熱効率と呼ばれるエネルギー変換率も40%を超え、4輪駆動モデルでも新規格のWLTCモード燃費で15.2キロメートル/リットルを記録する。

 RAV4はキャンプやスキー、マリンスポーツなどアウトドアの相棒として使われることも多いはずだ。そのため荷室の容量はクラス最大という580リットル。床面を2段階に調整できる便利な機能も備え、使い勝手も良さそうだ。

 最新の4輪駆動システムに加えコンピューター制御で走行モードを選べるなど最新の装備を数多く備えるが、新型は机上の論理に終わらず、開発者自らテスト走行して最後の調整を煮詰めたという。納得できるまで時間はかかったが、「感性で作ったクルマ」に仕上がった。あらゆるシーンで走って楽しい新型RAV4には、開発陣の熱い思いがこもっている。 (田村尚之)

 ★価格 260万8200円〜381万7800円。2リットルエンジンで最新の4輪駆動システムを搭載するモデルが300万円台前半。昼夜を問わず歩行者を検知して衝突回避や低減を図るブレーキ、前方車両を追従する「レーダークルーズコントロール」など先進技術も備える。月販目標は3000台。