6月8日に売り出されたトヨタのRAV4 PHV。大人気で予約受付をストップした
6月8日に売り出されたトヨタのRAV4 PHV。大人気で予約受付をストップした
 トヨタ自動車が6月に売り出したスポーツタイプ多目的車(SUV)「RAV4 PHV」が異常な人気ぶりで、発売から3週間で予約の受け付けを停止する事態となった。月販300台に対し、発売前から500台超の予約が入り、その後も増える一方。搭載するリチウムイオン電池の生産が追い付かないという。外部からも充電できる環境性能に優れたプラグ・イン・ハイブリッド車(PHV)だが、走りの味も突き詰めた究極の1台だ。(ペン&カメラ=田村尚之)

 今や幻の名車となりつつあるRAV4 PHVを試乗できる幸運に恵まれた。少し乱暴に説明すると、昨年4月に約3年ぶりに国内販売を再開したRAV4のハイブリッド車(HV)のモーターや電池を強化し、電気自動車(EV)のように外部電源からも充電できるPHV化したもの。一般的には環境性能の高さを売りにしている車種だ。

 ただ、RAV4のPHVは、走りの楽しさを前面に打ち出している。カタログ上では95キロもEVモードで走れ、それがウルトラスムーズであっという間に時速100キロに達してしまう。電気モーターはEV専用車に比べると小型ながら、出力の特性を質の良いガソリンエンジンのように調整したことが効いているという。

 開発者は「乗って楽しいクルマを目指した」と力説。トヨタでもプリウスなどにPHVが設定されているが、RAV4は地球に優しいだけではない。「今やEV感覚や、環境性能の高さは当たり前。プラスαとして走りを前面に打ち出した」と熱が入る。室内のボタンで変更できるHVモードにすると、システム最高出力(225キロワット=306馬力)が放たれ、2トン近い車体が驚きの加速を見せた。

 サスペンションの調整もしっかり煮詰められ、街中をクルーザー感覚で走れるだけでなく、オフロードでもかなりいけそうな雰囲気。PHVでも、悪路での走破性が高いRAV4の伝統は守られている感じだ。

 もちろん、災害時やアウトドアで活躍する給電機能も備えており、先進の衝突軽減装置などはフル装備。質感の高い内外装の仕上げも、商品力の高さを支えている。

 値段は469万円から539万円。高級車の価格帯に入るが、電池の生産が追いつかず、仕方なく予約を中止する人気ぶり。環境性能が高く、乗って楽しいクルマを世間が求めているのだろう。予約再開のめどは立っていないようだが、どうしても気になる人は、再開を公表するトヨタのホームページを定期的にのぞくことを習慣づけたほうが良さそうだ。
RAV4 PHVのメーター周り
RAV4 PHVのメーター周り
RAV4 PEVのカットモデル。運転席下にリチウムイオン電池を搭載するなど効率よく機器を配置する
RAV4 PEVのカットモデル。運転席下にリチウムイオン電池を搭載するなど効率よく機器を配置する