松田秀士・審査評
第39回日本カー・オブ・ザ・イヤー
 私はカローラスポーツに満点の10点、XC40には2点を投票した。10点の数ではカローラスポーツが21人と多かったのだが、XC40は各選考委員から満遍なく得点し、栄冠を勝ち取った。

 ところで、今年の選考には波乱があった。スズキとスバルが不祥事を理由に辞退したのだ。同じことは昨年の日産リーフでもあった。

 スズキ・ジムニーの辞退はノミネート前だったので百歩譲ったとして、スバル・フォレスターの場合は選考の準決勝戦ともいえる「10ベスト車」の決定後だった。スバル広報は選考委員を何だと思っているのだろう。準決勝に残ったことでクルマの評価を得たから、もう戦わなくてよい。「1番でなきゃダメですか?」という蓮舫議員の発言が頭をよぎった。

 選考委員は数々の試乗会に出かける。試乗できなかったり、乗り足りなかったりした場合、個別に広報車両をお借りすることもある。下世話なことを申し上げると取材経費は全て自腹。この賞はそうした委員の熱意で成り立っている。私はフォレスターの試乗会に計3回も足を運び、最後には箱根の会場まで行った。

 この賞は自動車の優秀さを競う「運動会」のようなもの。クルマそのものの評価だけを問う。辞退は、マスコミの突き上げを恐れての処置だろうが、10台に選ばれるほどのクルマを造っているのだから、むしろ胸を張るべきで、辞退してはいけないと私は考える。これでは一生懸命、造っている社員が気の毒だ。 (日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、レーシングドライバー)