CB1000Rに乗る亀井(左)と、YZF−R1に乗る南本。憧れのバイクにまたがってご機嫌の2人=鈴鹿サーキットで
CB1000Rに乗る亀井(左)と、YZF−R1に乗る南本。憧れのバイクにまたがってご機嫌の2人=鈴鹿サーキットで
 8月19日「バイクの日」の恒例の紙面企画。今年は全日本ロードレース選手権のST600クラスに参戦する亀井駿20=日本郵便Honda Stream=と、南本宗一郎18=AKENO SPEED・YAMAHA=が登場。鈴鹿サーキット(三重県)で憧れのマシン、「ホンダCB1000R」と「ヤマハYZF―R1」で走行した2人が、バイクの魅力を思う存分語った。

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全日本ST600を戦う亀井
全日本ST600を戦う亀井
 ―2人は幼なじみ?

 南本「僕が小学校3年生で、駿君が5年生くらいの時にサーキットで会いました」

 亀井「奈良県山添村、名阪国道にある名阪スポーツランドでした」

 南本「僕は奈良県出身なので、一番近いサーキットが名阪でした」

 亀井「僕は兵庫県で、近畿だとポケバイを始める人は名阪が多い」

 ―自分からバイクに乗りたいと親にお願いしたのですか?

 南本「雑誌を見てバイクに乗りたいと4、5歳くらいの時に父(亮二さん、49)に言ったら、74Daijiro(ポケバイ)の試乗体験に連れて行ってくれて、乗ったら楽しくて…。お願いして買ってもらいました」

 亀井「2歳下の弟(市=のぞむ=さん)の誕生日に父(猛史さん、47)が74Daijiroを買って来て、一緒に乗り始めたんです。でも、弟は飽きたのかやめてしまって、自分が夢中になって、毎週出掛けるようになりました」

 南本「最初会ったころは、すごくおとなしくて」

 亀井「宗一郎君は、年下だけど、サーキットでは先輩でうまいし速かったから、話しかけにくかったのもある」

 南本「でも、親同士が仲良くなって「チーム74」が結成された。ライダーは4人の名阪の仲間が集まっていた。サーキットでみんなに会えるのが楽しみでした」

 亀井「みんなで2009年に群馬県榛名サーキットで開催された「74GP」の全国大会に出掛けたりした。レジェンドライダーの坂田和人さんや青木宣篤さん、治親さん、海外を走っていた加賀山就臣さんや清成龍一さん、手島雄介さんもいました。たくさんのライダーがいて、自分たちと同じ子供もいて、楽しかったことを覚えています」

 南本「駿君とは鈴鹿レーシングスクールでも一緒で、ずっと一緒にレースをしてきた仲間です」

 ―将来を夢見るようになったのは?

 南本「ポケバイのころからです。バレンティーノ・ロッシに憧れていました」

 亀井「同じころです。僕は原田哲也さんの現役時代のレースをビデオで良く見るようになって、いつか、こんなふうに走れるようになりたいと思うようになりました」

 ―南本選手は憧れのロッシスクールに参加経験もある。

 南本「2年前の2016年に「VR46ライダーズアカデミー」の参加選手に選ばれて、第1回「ザ・マスター・キャンプ」に出掛けました。ロッシ選手にも会えて、バイクのサスペンションの動きや、ストレッチの大事さなど、いろいろなことを教えてもらいました。コースがきれいに整備されていて、食事もおいしくて最高の時間を過ごさせてもらいました」

 ―亀井選手は元ホンダワークスライダーの手島雄介監督の元で走り始めた。

 亀井「速くなりたいし、うまくなりたい。本格的にレースに挑戦したいと考えていた時に知人の紹介で手島さんに出会って、2年前に関東に出て来ました。今年から全日本に参戦して、チームメートには、ものすごく速くてうまい小山知良さん、同い年だけどトップ争いをする国峰啄磨選手20がいて、毎レースが勉強です」

 南本「僕は稲垣誠さんのチームで、アジアロードレース選手権から一緒の中村優佑選手25と、今年からチームメートになった小山葵選手27と参戦しています。今年は駿君が同じクラスで走り始めたので、少し気にしている」

 亀井「まだまだなんで、同じレベルで走れるようになりたい。ポケバイの時と同じで宗一郎君の背中しか見ていない。でも追い付けるようにと思っています」

 南本「ST600は強豪がたくさんいるので、厳しいクラスですが、参戦2年目なので早く勝ちたいです。そしてチャンピオンを目指したい」

 亀井「自分は本当下手くそなんだと思い知らされている。もっと乗り込んで、自分の納得する走りがしたい」

 ―今回、鈴鹿には南本選手はライダーとして、亀井選手は74Daijiroのスクールの講師としてやってきた。

 南本「鈴鹿8耐は憧れのレースだったんですが、昨年は年齢制限で参戦できずに、今年18歳になったので、やっと走れることになりました。モトGP、スーパーバイク世界選手権、世界耐久選手権、全日本JSB1000などのものすごいトップライダーと同じコースで走り、観察できるので勉強になり、テンションが自然と上がります」

 亀井「74Daijiroの試乗会を手伝わせてもらっています。子供たちが喜んでくれるのでやりがいがあります。近い将来には、僕もライダーとして鈴鹿8耐に来たいですが」

 南本「どちらかと言うと引っ込み思案で、あんまり話せなかった駿が講師やっているなんて、実は信じられない」

 亀井「バイクに出会って、少しは積極的になれたと思う。バイクに乗っている時は一人だけど、レースは一人じゃできないから、自分の気持ちを伝えることが大事だと学べたと思う。手島監督には、ライダーとしてトップに立てなかったとしても、バイクやレースを通じて、学んで人として一流になれと言われる」

 南本「僕もレースをやっていなかったら、進路は違っていたかもしれない」

 亀井「大学ではインドネシア語を選んだ」

 南本「アジアのレースを経験したことが大きい。アジアでバイクやレースが受け入れられているのを見て、それを手助けできたらという思いもあって」

 亀井「今は、働きながらレースを続けているけど、いつかはプロになりたい。バイクやレースがたくさんの人に応援してもらえるように頑張りたいという気持ちもある」

 南本「バイクの面白さや楽しさを、どう伝えていいかわからないけど、同世代の人にもっと知ってほしい。乗ってほしい」

 亀井「気軽に乗れて便利、ガソリン代も、そんなにかからない。いいところがたくさんある」
全日本ST600を戦う南本
全日本ST600を戦う南本
 南本「安全装備をきちんとしてルールを守ることが大事だけど、それを守って乗れば、ものすごく自由を感じることができる」

 亀井「まずは、今年の夏は大型免許をとって、お金をためてホンダCB1000Rが買えるようになりたい」

 南本「同じく、今年の夏は大型免許を取る。ヤマハYZF―R1が欲しい」

 亀井「賞金で買えたら最高だけど」

 南本「道のりは遠い…。でもいつか絶対、このバイクでツーリングに行きたい」

 亀井「尾道とか、四国とか、海沿いの道を走って、歴史を感じる神社に出掛けたい」

 南本「速くなれますようにって…お願いする?」

 亀井「そこは、自力で頑張る。宗一郎君はどこに出掛けたい?」

 南本「やっぱり、沖縄かな。きれいな海の道を走りたい。きっと気持ちが良い」

 亀井「絶対、気持ちいいに決まっている」

 南本「バイクの日をきっかけに、バイクに興味を持ってくれる人が増えるといい」

 亀井「サーキットにも応援に来てほしい」

 南本「全日本ロードではバイクに触れるイベントや地元グルメもある」

 亀井「300キロを超えるスピードを操るバトルを近くで見ることができる」

 南本「まだ、僕たちはトップライダーですって言えないけど、応援してもらえたらうれしい」

 亀井「応援してもらえるライダーになれるように努力するので、遊びに来てほしい」

 南本「俺たちを見に来てくださいと言えるように頑張ります」


 ▼亀井駿(かめい・しゅん)1998(平成10)年6月18日生まれ、20歳。兵庫県出身。6歳からポケバイに乗り始め、鈴鹿レーシングスクールを経て、2015年全日本昇格。今季からST600で本格的にレース参戦開始。74Daijiro試乗会の講師を務めるなど、底辺拡大に貢献しながらレース活動をするホンダ期待の若手。総合デジタルショップ「テルル」勤務。

 ▼南本宗一郎(みなみもと・そういちろう)2000(平成12)年2月2日生まれ、18歳。奈良県出身。5歳でポケバイを始め、鈴鹿レーシングスクールを経て、2014年全日本昇格し、アジアロードAP250と全日本ロードJGP3に参戦。17年全日本ST600参戦、ランキング9位。今年も同クラスを戦うヤマハ期待の若手。京産大1年(インドネシア語専攻)。

 ○…南本は今年の第41回鈴鹿8時間耐久ロードレース(7月29日)に、最年少ライダーとして「AKENO SPEED・YAMAHA」として出場。総合成績は64台中の22位だったが、SSTクラス(改造条件が狭く、ほぼノーマルエンジンのマシンで戦う)では11台中3位と健闘した。

 亀井は、74Daijiro試乗会などのイベントが台風12号の影響で中止されたため、先輩の小山知良らの手伝いで鈴鹿8耐を過ごした。

 ※衣装協力=「RS TAICHI」(亀井)、「HYOD PRODUCTS」(南本)

「CB1000R」「YZF―R1」

 ◆HONDA CB1000R(亀井)
 ホンダによる新世代CBシリーズの大型ネイキッドロードスポーツモデル。水冷4ストローク・DOHC4バルブ・直列4気筒1000ccエンジンを搭載し、軽量かつコンパクトな車体を実現。開発の狙いを「魅せる、昂(たか)ぶる、大人のためのEMOTIONALSPORTSROADSTER」と定め、上質な走りと操る楽しみを実現した。税込み価格163万6200円。


 ◆YAMAHA YZF―R1(南本)
 “サーキット最速”を目指して開発された、ヤマハを代表するピュアスーパースポーツモデル。水冷4ストローク・DOHC4バルブ・並列4気筒998ccエンジンを搭載。1998年の初代から数えて現行は8代目で、レースベース車と日本向け公道仕様車との2種類がある。前者は現在販売していないが、後者は正規代理店「プレスト」により、税込み226万8000円で販売中。

バイクの日とは?

 1989年、総務庁(現内閣府)交通安全対策本部が交通事故撲滅を目的に制定。これに伴い、日本二輪普及案協会は2007年に毎年7、8、9月をバイク月間として、バイクライフの素晴らしさを普及するため、全国各地で活動を展開している。

 ◆イベント「バイクの日スマイル・オン2018」
 8月19日(日)、秋葉原で開催。壇蜜、山口智充、中野真矢、古澤恵、下川原利紗、桐生美希によるトークショーを予定。また、警視庁交通安全ステージやゲーム大会、グッドマナーJAPAN RIDERS宣言、屋内外でバイクが展示される。詳しくはホームページ(http://release.jama.or.jp/sys/news/detail.pl?item_id=187)で。