2004年2月27日掲載
松浦に歓迎のケーキ爆弾を見舞った虎之介。今年はよりアグレッシブだ(カメラ=スタジオBIS)
松浦に歓迎のケーキ爆弾を見舞った虎之介。今年はよりアグレッシブだ(カメラ=スタジオBIS)
 いよいよインディカーが開幕(米フロリダ州ホームステッド、29日決勝)を迎える。高木虎之介(30)=モーナン=にとっては勝負の年。初めて自身の口から「優勝します」というV宣言が出るほど今年は気合が入っている。このオフの充電はうまくいったのか、開幕戦の舞台となるホームステッドのテストで実感した“ある事実”とは――。

 開幕直前特別版で、虎之介が決戦に挑む心境を披露した。



■テスト日数制限でオフゆったり過ごせた

 今年は静かなシーズンオフを過ごすことができた。鈴鹿のトヨタモータースポーツフェスティバルに参加したあと、主な仕事は年末にスポンサー各社の皆さんにごあいさつにうかがったくらい。モーナンとは2年契約だったので、契約更新や移籍作業に時間を取られることがなかったんだ。

 毎年、アメリカでの仕事始めは、ラスベガスで行われる世界最大の家電ショー「CES」のパイオニアブースに出席することで、いつもスケジュールがきつかったけど、今年はテスト日数が制限されたおかげで日程も楽になった。インディアナポリスのセーフティーミーティングやホームステッドのオープンテストでもバタバタしなくてすんだ。もてぎ戦の発表会もトヨタモータースポーツ発表会も、日本に戻ってすべて出席できた。こんなことはこの4年で初めてのことだった。

■コースケに米の厳しさ教える

 セーフティーミーティングではちょっと面白いことがあった。

 1月のインディアナポリスは毎日氷点下18度という寒さで、レクサスGS430の車内に残していた飲み残しのコーラなんかが朝にはカチカチになったほどだった。路面も凍っていて、冬になったら4WDのレクサスGX470に替えなければ……などと思いながらワークショップへズルズルと滑りまくりで到着した。

 そしてミーティングの後、今年からインディに出るコースケ(松浦孝亮)を夕飯に誘った。ホームステッドのテストまでホテルの独り暮らしで寂しいというので、僕のマネジャーの有松さんと、エンジニアの岩下さんとの4人で出掛けたんだけど、そこでアメリカのレースの裏話をたっぷりとしてあげたら、コースケの顔が引きつっていった。話がちょっと大げさになって半分以上はジョークだったけど、コースケは真に受けてしまったらしい。

 少し薬が効きすぎたかなとも思ったが、それでもいろいろ知らないより知っておいた方がいい。僕がアメリカに来たときはすべて自分で調べなければならなかった。

 それに比べれば、コースケもだいぶ気持ちを楽にして開幕を迎えられるはずだからね。

■強烈なG、いきなり最もタフなレース

 2月のトヨタ・モータースポーツ発表会の後はフロリダにとって返し、今は暑さと湿度に体を慣らして開幕に向けてコンディションを整えている。新しいホームステッドは、テキサスのようなDシェープ(型)ではなく、ハイバンクの完全なオーバルコースに生まれ変わった。先日のテストで分かったことだが、ここはG(重力)が逃げない。なんせターン1〜2、ターン3〜4ごとに横4Gがかかる。レースでは400回近くもそんな強烈なGを受けるのだ。いきなり最もタフなレースを迎えるわけだが、勝利を目指して全力を尽くそうと思っている。


 今年もトーチュウで手記を連載できることになりました。アメリカに来てからは毎年記録を更新してきたので、そうしたうれしい報告がこの紙面でできるよう頑張ります!(高木虎之介)