2004年3月25日掲載
苦闘を終えた虎之介。もてぎでの手応えをつかんだ(カメラ=スタジオBIS)
苦闘を終えた虎之介。もてぎでの手応えをつかんだ(カメラ=スタジオBIS)
 「IRLに来て最悪の状態」――インディカー第2戦フェニックスの初日を終えた高木虎之介(30)=モーナン=はそう嘆息した。1マイルオーバルでは最も重要なセッティングがどうにも決まらず、予選でも14番手と苦闘した。だが、劇的な変化が虎之介を救った。決勝結果は8位。だが、優勝を目指す次戦もてぎ(4月17日決勝)へ大きな布石を打つことができた。その変化とは?(虎之介=8位、優勝=トニー・カナーン)



 2月のオープンテストで調子の悪かったフェニックスだけに、苦戦を覚悟していたので、8位でゴールできて正直ほっとしている。

 何しろ、プラクティス初日から下位を低迷し、トップとのタイム差は1・3秒もあった。0・7〜8秒なら、まだセッティングを煮詰めて追いつける段階だが、1秒以上離されては根本的に何かが間違っていると思わざるを得ない。

 今回から新たにジェフ・ブリトンというエンジニアがモーナンに加わった。これで、イアン(ワット)、岩下(喜博)さんと3人体制。元エンジニアのオーナー、モーリス(ナン)を加えると、4人が僕を支えてくれることになった。そして今回、苦しむ僕たちを救ってくれたのがモーリスだった。

 彼は古風なイギリス人で、結論までの前置きが長いのが玉にきずだが、指示は的確。チップガナシでのエグゼクティブエンジニア時代、1マイルオーバルのナザレスでジミー(バッサー)とアレックス(ザナルディ)が1−2フィニッシュした時に彼が施したセッティングを試せと指令したのだ。

 深みにはまっている時、大きくセッティングを変えることは難しいが、このオーナーの一言は効いた。最終プラクティスの残り15分の時点で、いきなり1秒以上も向上、別のクルマに生まれ変わったようだった。

 レースに向けても大きな自信をつけることができた。予選では負けてしまった(松浦)コースケを含めGフォースが目の前に4台並んでいたが、ショートオーバルのGフォースの挙動はよく知っていて全く気にならなかった。スタートダッシュで2台抜き、あとはGフォースが失速するのを待って、ターン3や1のエントリーでズバッといかせてもらった。その結果、開幕戦に続いて、スタートから最もポジションを上げたドライバーとしてゴールできた。

 今回の8位というリザルトで、第3戦もてぎまでの目標だったランク10位以内(現在ランク6位)を確保した。これで条件の有利なグループ2での出走権を得て、ピットボックスの選択権も8番目。4年目にして初めてまともな環境で、もてぎに臨むことができる。

 何しろ開幕戦圧勝のペンスキーでさえ一歩間違うとフェニックスではボロボロという激戦だ。今回はトニー(カナーン)とダン(ウェルドン)にしてやられたが、もてぎでは多少体制の劣る僕らモーナンも十分戦えることを証明できると思う。

 それでは、もてぎでファンの皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

 
苦しい戦いをしのぎ、8位でフィニッシュした虎之介(カメラ=スタジオBIS)
苦しい戦いをしのぎ、8位でフィニッシュした虎之介(カメラ=スタジオBIS)