2004年7月1日掲載
 どん底状態から脱したはずの高木虎之介(モーナン)。インディカー第6戦リッチモンドでは予選こそ9番手と上昇気配をうかがわせたが、決勝ではショートオーバル(1・5マイル)のセッティングが思うように決まらずに苦戦。トータル250周の決勝終盤の157周を終えた時点で、レースの続行をあきらめた。歯車がかみ合わなかった今季2回目のナイトレースのてんまつは――。(虎之介=19位、優勝=ダン・ウエルドン)



 トヨタ勢は、この大会の前(6月3日)に、再舗装されてコース状況が一新したリッチモンドでテストを行った。そこで僕らはペンスキーの2台とチップガナシの2台に割って入るタイムをマークすることができた。大不振にあえいだインディ500の直後だったのでパフォーマンス的には心配だったが、自分でも意外なほどタイムが出たと思う。

 その後、同じショートオーバルのミルウォーキーのオープンテストにも参加し、そこで得た結果も反映させて臨んだのが今回のリッチモンド戦だった。そして、雨のためにプラクティスのスケジュールがずれたにもかかわらず、予選ではトヨタ勢4番手となるP(ポジション)9を確保することができた。今季最高の予選順位。これにはチームも大喜びだった。

 この流れをレースまで持続できれば良かったのだが、いざスタートしてみると、序盤こそまあまあのスピードを保てたものの、最初のイエローコーションのリスタート後は「どこか壊れたのかな」と思うほど急にマシンがオーバーステアになってしまった。

 こうなるとペースの保ちようがない。ただただ次のピットインの機会を待って、フロントウイングとタイヤの内圧で対応するしか手はないのだ。後続のマシンやリーダーから次々とパスされるので気を抜けない状態だった。

 マシンのバランスが悪い時はそれなりに次のピットインまでもたせて、その後、ばん回することが可能なケースもあるが、今回ばかりはピットインしてセッティングを変えてもオーバーステア状況は好転せず、最終的にはこれ以上の走行は危険と判断して、ピットに戻ってリタイアせざるを得なかった。

 僕の周りはポイント争いがとてもシビアだけに、リタイアによってポイント獲得の機会を失ったことが大いに悔やまれる。予選ポジションが良かっただけに、少しでも上位でフィニッシュを目指して、しぶとく走りたかったのだが……。とにかく今回は、誰とも接触せずクラッシュなどにも巻き込まれないで、マシンが無事で良かったと思うしかない。

 いずれにしても、これからは8月の末までテストとレースがずっと続く。今週は猛暑で悪評高いカンザスに移動しての連戦となる。タフな日程だが、まずは気を取り直して猛暑の1・5マイルオーバルに臨むことにする。 (高木虎之介)