先週モト2で初V〜日本の若手に刺激
加賀山と東京本社訪問
WGP初優勝を大きく報じた15日付東京中日スポーツを手に健闘を誓うエガーター(右)と、チームリーダーの加賀山=東京都千代田区の中日新聞東京本社で(カメラ=武藤健一)
WGP初優勝を大きく報じた15日付東京中日スポーツを手に健闘を誓うエガーター(右)と、チームリーダーの加賀山=東京都千代田区の中日新聞東京本社で(カメラ=武藤健一)
 第37回鈴鹿8時間耐久ロードレース(27日決勝)に出場する「チームカガヤマ」の代表兼ライダーの加賀山就臣(40)とドミニク・エガーター(23)が22日、東京・千代田区の中日新聞東京本社を訪れ、目前に迫った大一番での奮闘を誓った。今季から加入のエガーターはロードレース世界選手権(WGP)第9戦ドイツGP(13日決勝)のモト2で初優勝を飾ったばかり。直前に参加した8耐合同テスト(8、9日)で得た経験が、WGP参戦129戦目での初優勝につながったという。

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 この日の朝、日本に到着したばかりのエガーターはほんの少しお疲れムード。「先週は結構取材があったし」と、生あくびをかみ殺しながらも、質問に真摯(しんし)に答えてくれた。

 1週間前にはWGPデビュー9年目で初勝利を挙げ一躍時の人に。これまでも安定した走りには定評があり、今年の開幕戦カタールGPでリタイア(エンジントラブル)に見舞われるまで32戦連続入賞を続けていた実力派。勝てなかったこと事態が不思議で、エガーター自身も「僕にもよく分からない。モト2はとても戦いが激しいクラスで、強いライダーがたくさんいるし…すごく難しいんだ」と首をかしげる。

 が、ドイツGPでは初めてのポールポジションから、ベテランのM・カリオとの一騎打ちを制し、まさにひと皮むけた走りみせた。そんな大変身の裏には「8耐のテストに参加したことが大きかったのかも。1台のバイクを複数の選手と走る経験がなかったので、カガヤマやノリユキ(芳賀紀行)にアドバイスをもらったことが生きたような気がする」とエガーター。初体験のスーパーバイク車両を、実績十分のベテラン2人と走ったことで、ライダーとして大きく成長したと感じているようだ。

 日本の若手ライダーに奮起を促すことを目的にエガーターにオファーを出した加賀山はそんな相乗効果に納得顔。「海外で通用するライダーを目指す日本の若手に、こんなライダーになってほしい。ドミニクは初めての鈴鹿、初めての1000ccバイクで、僕より速く走ってしまうんだもの。(2分)10秒台だったけど、まだバイクが仕上がっていなかっただけ。仕上がれば9秒台だって簡単に入れられたと思う」と絶賛。コースやバイクなどを理由にせず、どんな環境下でもベストを尽くせるライダーこそが世界で通用するという事実を、くすぶり気味の日本の若手にアピールしたかったのだ。

 8耐ではプライベートチームの「チームカガヤマ」が、ホンダ、ヤマハ、カワサキ、そしてスズキのワークス勢に劣るのは否めない。バイクもスピードや燃費などでかなわない部分はあるが、「チームカガヤマはダンロップさんやスズキさんなどみんなに支えられているチーム。恩返しは成績しかない。スーパーバイク世界選手権で通算39勝を挙げた(芳賀)紀行に、僕だって世界で勝利してきた。それに勢いがあるドミニクが加入。全てのハンディを吹き飛ばしたい」と加賀山。K・シュワンツを迎えた昨年の3位を上回るのはもちろん、表彰台の頂を見据えていた。(田村尚之)