ベテランコンビは経験値が違う
最終戦もてぎ特集(3)GT300
3年ぶりの王者に挑むグッドスマイルの谷口信輝(右)と片岡龍也(GTA提供).jpg
3年ぶりの王者に挑むグッドスマイルの谷口信輝(右)と片岡龍也(GTA提供).jpg
 GT300クラスはグッドスマイルの谷口信輝/片岡龍也組(メルセデスAMG)が3年ぶりの王座奪回に挑む。総合2位につけるLMコルサの中山雄一/坪井翔組(レクサスRC F)とは9点差で、同3位のLEONの黒澤治樹/蒲生尚弥組(メルセデス)とは13点差。有利な状況で最終戦に挑むため、レース巧者の谷口はライバルの出方を見据えながらも有終Vを狙う。

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3年ぶりの王者に挑むグッドスマイルのメルセデスAMG(GTA提供)
3年ぶりの王者に挑むグッドスマイルのメルセデスAMG(GTA提供)
 3年ぶりの戴冠はもう目の前だ。開幕戦の優勝に始まり、今シーズン着実に得点を重ねてきたグッドスマイルは総合首位で大一番に挑む。

 「(総合2位と)9点差でもてぎはこれ以上ない好条件。相手もひっくり返すつもりでくるだろうが、貯金が5点以上あるのは大きい」。チームを引っ張る谷口はそう見据えた。

 ライバルに先行されたとしても、2位に続けば首位の座は守れる。かりに3位になっても、予選でポールポジションの1点を加えておけばライバルを上回れる。まさにこれ以上ない状況だ。

 タイトルを争うLMコルサのRC FはFIA−GT3車両で特性もメルセデスと似ている。装着するタイヤは違うが、よほどのことがない限り近いところで走れるはず。グッドスマイルの谷口と片岡は数々の激戦をくぐり抜けていたベテラン。若いLMコルサの2人とは経験値が違う。

 激戦のGT300で2011、14年の2度タイトルを取った谷口はベテランらしい戦いを見据える。「レースだから何が起きるか分からない。JAF−GT勢がタイヤ無交換とかやってくるかもしれないし。まずは51号車(LMコルサ)と65号車(LEON)のそばを走り、その前でゴールしたい」。タイトル優先の走りを考えているようだ。

 ただし、根っからの派手好き。サービス精神も旺盛だ。地味な戦いで終わるわけがない。「最終戦は重り(ハンディウエート)がない。同じ条件の開幕戦も勝っている。最後は派手にやりたいね」。表彰台の真ん中に立って3度目の王者に就くつもりだ。

 GT300クラスの車両は戦力の均衡化を図る目的で性能を調整しているが、どうしても車両によって勝てるシーズンが決まってしまう傾向が強い。谷口が15年から乗っているメルセデスは過去2年、不利な状況が続いていたが、今年は心地よい追い風が吹いている。

 「今年はベンツが調子良い。ぜひともタイトルを取りたい」。グッドスマイルがもてぎで主役を張る。

LMコルサ諦めない!中山、攻め抜く

2年連続2位…、今年こそ

初タイトルに挑戦するLMコルサのレクサスRCF(トヨタ提供)
初タイトルに挑戦するLMコルサのレクサスRCF(トヨタ提供)
 LMコルサの51号車を駆る中山雄一が3年越しの夢実現に闘志を燃やす。「過去2年、ずっと2位なので、今年こそはチャンピオンを取りたい。3年連続じゃカッコ悪いので」。昨年まで所属したaprで連続総合2位(2015年はチーム別)に終わっており、チームを移った今年こそ−の思いは人一倍強い。

 ただし、条件は厳しい。中山も「ここ数年の結果からもグッドスマイルともてぎの相性は良い。それに僕らが勝っても、相手が3位以下じゃないと逆転できない」と見据える。どう見てもライバルに有利な状況だ。

 「でも、レースはいろんなことが起きるもの。僕らは攻めて、攻めていく。タイ(第7戦)も攻め切って勝てた」。平均24歳の若いコルサの2人がもてぎを攻め抜く。

黒澤、やり切る

LEON5年目初タイトル争い

初めてのタイトル奪取に挑むレオンのメルセデスAMG(GTA提供)
初めてのタイトル奪取に挑むレオンのメルセデスAMG(GTA提供)
 初めてタイトル争いに加わって最終戦を迎えるLEONは首位から13点の総合3位。エースの黒澤治樹は「追い掛ける立場。まずは力を出し切ることが一番」と語る。

 英国F3の経験もある黒澤はSGT15年目のベテラン。2005年にGT300クラスの総合2位、07年にも同3位を獲得したが、これまでタイトルとは無縁だった。13年からは現在のチームを単独で運営するようになり、少しずつ力をつけて5年目でタイトルを争うまで成長させた。

 「オーナーをはじめ、支えてもらっているみなさんのおかげ。5年目でタイトルを争っているが、そんなことは考えず、自分たちのレースをやり切りたい」。納得できる戦いができたとき、結果もついてくる。

DTMもてぎ見参

ドイツ3メーカー&国内チームで6台デモラン

 最終戦ではGT500クラスとの車両規則統合を進めるドイツツーリングカー選手権(DTM)車両のデモンストレーション走行が行われる。

 参加するのはアウディRS5に2010年のSGT王者、ロイック・デュバル(35)=フランス、BMW M4には今年の鈴鹿1000キロにスポット参戦したアウグスト・ファルフス(34)=ブラジル、メルセデスAMG−C63は今季初優勝したマロ・エンゲル(32)=ドイツ=の3台。

 SGTからもレクサス、日産、ホンダの代表チーム1台が加わり、計6台のデモ走行が予定されている。DTM最終戦(10月15日決勝、独ホッケンハイム)でレクサスLC500、日産GT−Rがデモ走行を行ったが、今年限りでメルセデスがシリーズを去るため、今回は最初で最後の6台そろい踏みとなる。

 デモ走行は11日が午前10時30分、12日も午前11時5分からの2回実施。久しぶりの日本となるデュバルは「SGTのチャンピオンにもなった自分が、DTM車両で日本を走ることができて光栄に思う」と語った。