スーパーGT第8戦決勝
今季の最終戦で優勝を飾ったニスモのロニー・クインタレッリ(右)と松田次生(中)。左はプレゼンターのゲルハルト・ベルガー氏(多賀まりお撮影)
今季の最終戦で優勝を飾ったニスモのロニー・クインタレッリ(右)と松田次生(中)。左はプレゼンターのゲルハルト・ベルガー氏(多賀まりお撮影)
 スーパーGT第8戦(最終戦)の決勝が12日、栃木県のツインリンクもてぎで開かれ、GT500クラスはニスモの松田次生/ロニー・クインタレッリ組(日産GT−R)がポールtoウインで今季初勝利を飾った。目標だった2年ぶりのタイトル奪還には3点足りなかったが、十分な力を発揮できなかったシーズン序盤の苦境からチャンピオンを争うまで盛り返せたことで、誰もが満足げな笑顔で2017年を締めくくった。

序盤は大苦戦

ニスモのGT−Rはスタートから一気に逃げて今季初勝利で最終戦を締めくくった(多賀まりお撮影)
ニスモのGT−Rはスタートから一気に逃げて今季初勝利で最終戦を締めくくった(多賀まりお撮影)
 ウエートハンディが取っ払われ、クルマの基本性能が試される最終戦でニスモのGT−Rが暴れ回った。

 予選でただ1人コースレコードを上回ったクインタレッリは決勝でも一気に逃げた。スタート直前に追突される予想外のアクシデントにも慌てず騒がず。クルマの速さを生かして周回を重ねるごとに後続との差を広げ、実質トップのまま24周でチームメートに後を託した。

 「クルマの調子は良かったし、レース内容は完璧。シーズン序盤はパフォーマンス的に苦しかったけど、よくここまで盛り返せた。チームに感謝したい」。表彰台の真ん中で満足そうなクインタレッリは激動の1年を振り返る。

 車両が一新された今年、GT−Rはシーズン前のテストから思わぬ苦戦を強いられた。トップ10に食い込むのもままならない状況で、開幕戦の予選はブービーの14番手に沈む。荒れた決勝では7位に食い込んだが、ライバルメーカーのクルマとは明らかな差があった。

 「SUGO(第4戦)まではレクサス(LC500)とホンダ(NSX)にも負けていた。夏場から盛り返したが…」。シーズン2基目のエンジンが投入される第4戦まではスピード的に苦しい状況が続き、何とか入賞を重ねたものの得意の決勝戦略で浮上するしかなかった。

開発の頑張り

シーズン序盤は大苦戦も地道な開発で最終戦で最速となったニスモのGT−R(多賀まりお撮影)
シーズン序盤は大苦戦も地道な開発で最終戦で最速となったニスモのGT−R(多賀まりお撮影)
 それが最終戦では予選で他を圧倒する速さを見せつけた。今年は安全性向上を目的にクルマのコーナリング(旋回)スピードが抑制される規則が採用されてタイムの伸びは鈍ったが、クインタレッリはもてぎのコースレコードをただ1人更新。ドライバーの限界ぎりぎりな走りに加え、チームが地道な開発を続けたGT−R、そしてミシュランタイヤの基本性能が底上げされた証しだ。

 「普通は1年で仕上がりを含めて(遅いクルマを)直すことはできないが、僕らは短い時間で盛り返し、ノーウエートの最終戦を実力で勝った。来年こそはチャンピオンを目指したい」。苦しみながらも有終Vを飾った今年は、タイトル奪還を目指す来季の序章となった。