グッドスマイル連覇あるのみ
2018年開幕特集(4)
開幕戦で好発進を決めて、GT300連覇を狙うグッドスマイルのメルセデスAMG
開幕戦で好発進を決めて、GT300連覇を狙うグッドスマイルのメルセデスAMG
 今年もスーパーGTのGT300クラスは大混戦だ。「FIA−GT3」と「JAF−GT」という異なる開発手法で作られたクルマが激突する構図は変わらないが、ともに開発が進み、より実力が均衡。シーズンの行方が全く読めない状況だ。そんな厳しい中でもベテランコンビの谷口信輝(46)/片岡龍也(38)組(メルセデスAMG)のグッドスマイルは連覇に挑む。しぶとく全8戦を戦い抜き、王者の称号は絶対に渡さない。

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谷口/片岡組、開幕V狙う

GT300エントリーリスト
GT300エントリーリスト
 酸いも甘いも知り尽くしたベテランは侮れない。車両的には進化したライバル勢にやや有利な展開ながら、グッドスマイルの2人は連覇に狙いを定めた。

 「クルマ的には1勝もできないかもしれないが、全戦4位なら8戦で64ポイント。あと10ポイント積み重ねられればチャンピオンの条件を満たせる」。昨年を含め計3度のGT300王者を経験している谷口の皮算用は現実的だ。

 今季は同じGT3陣営でも日産GT−Rが大幅に改良され、レクサスRC Fも進化、ポルシェ911も空力部品が追加されるなど戦闘力がアップ。JAF勢のマザーシャシー(MC)も規則的に有利になりそうだが、メルセデスは「カラーリングが変わったぐらい」という現状維持。四面楚歌(そか)に近い。

 それでも強気だ。同僚の片は「ネガティブなニュースが満載でも、絶対に諦めないし、負けるつもりもない」と宣言。たとえ戦力的に厳しくとも、コンビ結成7年目で息もぴったりな谷口と力を合わせ、しぶとく戦い抜く覚悟だ。

 「開幕戦がチャンス。他のチームはクルマが進化したり、コンビが変わってほころびが生まれる可能性はあるが、僕らはつまらないぐらい変わっていないし」と片岡。3年ぶりのタイトルを獲得した昨年の勢いのまま、メルセデスとの相性が良い岡山国際サーキットで勝ちを狙っていく。

 今年はGT500クラスを戦っていた安田裕信(ゲイナー)、平手晃平(apr)、小林崇志(アップガレージ)の3選手がGT300クラスに移ってきた。クルマの進化に加え、チーム力が一気に上がったところもある。全ての事柄が激戦を指している。

 「ノーミスは絶対条件」と片岡が誓えば、谷口は「なんとかポイントを積み重ねたい」。グッドスマイルが逆風に立ち向かう。

トヨタ86MCつちや、2年ぶり王座奪還に集中

テストではホッピーカラーを封印して車両開発に専念したつちやのトヨタ86MC
テストではホッピーカラーを封印して車両開発に専念したつちやのトヨタ86MC
 下馬評が高いマザーシャシーのトヨタ86MCで挑むつちやは、岡山の公式テストで総合トップタイムを記録した。ドライバーの松井孝允(30)は「感触は悪くないが、本番がどんなコンディションになるのか」と漏らす。SGTは少しの気温変化でタイヤの性能が十分に発揮できず、持ち込むタイヤの選定に悩んでいた。ただし、「周りのことはどうでも良い。目標に集中する」。GT500昇格というチームの目標を果たすため、2年ぶりのタイトル奪還だけを見据えた。

 ◆JAF−GT 日本自動車連盟が定めるJAF−GT規定で独自に作られた車両。SGTの運営団体のGTAがモノコックやエンジン、足回りを提供するマザーシャシーも含まれる。GT3との性能調整はGTAが独自に決める。

星野一樹、進化版GT−Rに手応えあり

大幅な改良が施された日産GT−Rでタイトルを狙うゲイナー
大幅な改良が施された日産GT−Rでタイトルを狙うゲイナー
 エボリューション(進化)という名前が付いた今季仕様の日産GT−Rは大幅な改良が施された。エンジンや駆動系の搭載位置を下げて低重心化を図るなど昨年型とは別物という。ゲイナーに移籍したGT−R使いの星野一樹(40)が「重量配分が良くて、ダウンフォース(気流で押さえ付ける力)も高い。かなり戦えそう」と手応えを強調する。ただし、公式テストでは中団グループに甘んじている。どう巻き返すのか−。

 ◆FIA−GT3 自動車メーカーが市販車をベースに開発したレース専用車。各車の性能調整は、GT3レースを運営する海外の団体が独自テストを行い、エンジンの吸気制限や最低重量などで整える。BOP(バランス・オブ・パワー)と呼ばれる。