第6戦SUGOあす開幕
SUGOで暴れ回る覚悟のリアルNSX(ホンダ提供)
SUGOで暴れ回る覚悟のリアルNSX(ホンダ提供)
 スーパーGT(SGT)はシーズン終盤戦に突入し、タイトルの行方を左右する大事な第6戦を宮城県のスポーツランドSUGO(16日決勝)で開く。GT500クラスはコース特性に合うホンダNSX勢の活躍が予想され、現在総合4位につけるリアルの塚越広大(31)/小暮卓史(38)組が開幕戦以来の今季2勝目に狙いを定める。ウエートハンディは76キロ相当と重いが、チームのメインスポンサーを務める自動車部品メーカー「ケーヒン」の大応援団の声援を力に替え、暴れ回りたい。

「優勝狙える」

第5戦で3位に食い込んだ塚越(左)と小暮は表彰台の真ん中を狙う(ホンダ提供)
第5戦で3位に食い込んだ塚越(左)と小暮は表彰台の真ん中を狙う(ホンダ提供)
 大事な勝負所の一戦に力が入る。今季開幕戦を制したリアルの塚越は、乗り込むNSXが得意とするSUGOでの大駆けを狙う。

 「ウエートは重いが、SUGOならそんなに気にしないで戦える。調子が良かったら優勝を争えるはず。見せ所でしょう」。回り込んだコーナーが多いテクニカルなコースで、フットワークが良いNSXの長所をとことん引き出すつもりだ。

 NSX陣営は今大会を前にして、主催団体から他陣営との性能の均衡化を図るため、最低重量を10キロ引き上げる措置を取られた。それほどまでコースと車の相性が良い証拠だろう。塚越は「レベルが高い戦いの中で、10キロ増えるのは影響すると思う。でも、チームのセットアップ(車体調整)や戦略で補える」と自信満々。流れはあると見据える。

 塚越がSUGOに燃えるのは、もう一つ理由がある。チームのメインスポンサーを務める「ケーヒン」の小田工場が宮城県の角田市にあり、毎年何百人規模の大応援団を組織して応援に駆けつけてくれるのだ。

 塚越はSGTのフル参戦を始めた2009年から、所属するチームは「ケーヒン・リアル・レーシング」一筋。「ケーヒン応援団の元で走るのはどこでも力が入る。でも、10年に(SGTで)初優勝したのはSUGO。ここ数年は良いレースを見せられていないが、今年は良い状態で挑める」。スポンサーという関係を超えた強い絆で結ばれている仲間のため、渾身(こんしん)の走りを貫く覚悟を決めた。

 「ここからの3戦はチャンピオンシップでは大事な戦い。まずはSUGOで自分たちの持てる力を出し切りたい」。乗り込むNSXと同じケーヒンのコーポレートカラーのブルーに染まるスタンドの大声援を背に、塚越はSUGOで初タイトルへの足掛かりを築く。

トムス、我慢の戦い覚悟

首位を走るKeePerトムスのレクサスLC500(トヨタ提供)
首位を走るKeePerトムスのレクサスLC500(トヨタ提供)
 総合首位を走るKeePerトムス(レクサスLC500)は我慢の戦いを覚悟する。搭載するウエートハンディは94キロ相当。ここまで全戦入賞の安定した強さでシリーズ2連覇に突き進んでいるとはいえ、さすがに上位進出は厳しい状況だ。

 乗り込む平川亮(24)も慎重だ。「ポイントが取れるかどうか。ウエートが軽い車がまず先に行って、そこからの戦いになるだろう」。まずはダメージを最小限にとどめる戦いを見据えているようだ。ただし、コンビを組むニック・キャシディ(24)=ニュージーランド=は並行して参戦するスーパーフォーミュラでも総合首位を走るなど、若い2人には何事にも替え難い勢いがある。厳しい状況から一転、価値あるポイントを奪い取りそうだ。

バトン「2戦で大量点狙う」

フル参戦初年度のタイトルを狙うクニミツのジェンソン・バトン。SUGO、オートポリスが勝負だ(ホンダ提供)
フル参戦初年度のタイトルを狙うクニミツのジェンソン・バトン。SUGO、オートポリスが勝負だ(ホンダ提供)
 第4戦タイで総合首位から陥落したクニミツ(NSX)が、車との相性が良いSUGO、オートポリスの2戦に焦点を絞る。今季から参戦の元F1ドライバー、ジェンソン・バトン(38)=英国=は「SUGOではいい戦いができると思う。オートポリスもホンダが得意とするサーキット。大量点を狙いたい」と意気込む。

 11月に開かれる最終戦のツインリンクもてぎ(栃木県)はホンダが所有するサーキットのひとつだが、コース特性上ライバル車両がやや有利。参戦初年度の戴冠という偉業を狙うにはこの2戦で再び首位に立ち、しっかりとライバル勢にアドバンテージを築きたい。

 現在、首位から7ポイント差の総合3位。SUGOでは性能調整で車両重量が第5戦から10キロ増える逆風が吹くが、参戦9年目のチームメート山本尚貴(30)の経験も武器にして、何としても上位進出を果たしてオートポリスにつなげたい。

雪辱に燃えるインパル

新品エンジンが投入される日産GT−R陣営のインパルが第5戦の雪辱に燃える(日産提供)
新品エンジンが投入される日産GT−R陣営のインパルが第5戦の雪辱に燃える(日産提供)
 日産陣営は第6戦から今季2基目の新品エンジンを投入する予定だ。レクサス、ホンダ陣営は8月の第5戦で2基目を投入しているが、1戦遅らせシーズン終盤に攻勢をかける計画のようだ。

 当然、雪辱に燃えるのがインパルだ。8月の第5戦富士500マイルではトップを快走しながら残り30周で突然エンジン関連部品のトラブルに見舞われ、緊急ピットインを余儀なくされて12位に終わった。

 同チームの星野一義監督は「(SUGOは)頑張るよ。オートポリスのテストも良かったし。でも、安心はしない。チェッカーを受けるまでは絶対に−」。まさかのトラブルで逃した2年ぶりの勝利を、何としてもSUGOで取り返す。

 ★シリーズ終盤戦 SGTは10月の第7戦オートポリスで搭載ウエートが半減され、続く11月の最終戦ツインリンクもてぎでは撤廃される規則を採用する。そのため、その勝負所につながる第6戦をどう乗り切るかがタイトルの行方を左右する。総合上位勢はウエートが重い第6戦をしのいで最後の2戦に勝負をかけ、不振だったチームはウエートが軽いメリットを生かして終盤3戦で下克上を狙う。SUGOでの戦いがシリーズ制覇のカギを握る。