第6戦SUGOGT300
SUGOで勝利を狙うLMコルサのレクサスRC F(トヨタ提供)
SUGOで勝利を狙うLMコルサのレクサスRC F(トヨタ提供)
 GT300クラスはLMコルサの吉本大樹(38)/宮田莉朋(19)組(レクサスRC F)が、シリーズ第6戦が開かれるスポーツランドSUGOで表彰台の頂点を目指す。ウエートハンディの軽さを生かし、車との相性が良いコースで吉本は4年ぶり、ルーキーの宮田は初めての勝利に突き進む。つちやの松井孝允(30)/坪井翔(23)組(トヨタ86MC)も狙いは今季初勝利あるのみ−。

狙うは表彰台の真ん中のみ

4年ぶりの勝利を狙うLMコルサの吉本大樹(右)。左はコンビを組む宮田莉朋(トヨタ提供)
4年ぶりの勝利を狙うLMコルサの吉本大樹(右)。左はコンビを組む宮田莉朋(トヨタ提供)
 4年間勝利から遠ざかっているLMコルサの吉本大樹がSUGOに勝負をかける。ウエートは42キロ。上位に食い込む絶好のチャンスだ。

 「相性は悪くない。SUGOは昨年も予選3番手につけ、決勝も不運をはねのけて追い上げられた」。2015年から先行投入してきたレクサスRC FのFIA−GT3仕様がようやく戦闘力を手にした今、相性の良いSUGOで結果を残す決意をみなぎらせる。

 ただし、実力が拮抗(きっこう)するGT300は一筋縄ではいかない。「今年は(規則で)重量が重くなっているが、事前テストではそれが意外と効いていた」。SGTは出場車両の戦力を均衡化するため、レースごとに細かく車両規則を変更しているが、LMコルサのRC Fも足かせをかけられてる。

 そして最も大切なのが「運」だ。吉本は昨年のSUGOでも勝てるだけの速さを持ちながら、スタート直後の混乱に巻き込まれて後方に落ちた。今年4年ぶりに表彰台に上った7月のタイ大会でも直前に降った雨にたたられ予選16番手に沈み、決勝ではそこから3位まで追い上げた。

 「(タイは)予選でちゃんと走れていれば−という思いはある。うちはあんまり運に恵まれないが、それも含めてレースだから」

 本来なら得意なSUGOを制し、その勢いをかってウエートハンディが半分になるオートポリス、ウエートが撤廃される最終戦のツインリンクもてぎに挑みたいところ。「冷静にライバルとの戦力を分析すると、タイトルを争うにはまだ力が足りない。まずは目の前のひとつひとつの戦いに集中したい」。目前の好機に集中する。

 「ずいぶん勝っていなし、もちろん勝ちたい。15、16年は100%勝てないのは分かっていても頑張ってきた。やっと車的にもタイヤ(ヨコハマゴム)的にも勝てる状況になった」。ベクトルが勝利の二文字に集中するSUGOで、相棒の若い宮田と表彰台の真ん中に立ってみせる。

 〇…レクサスRC Fを使うK−チューンズの新田守男(51)/中山雄一(27)組もSUGOでのリベンジを狙う。昨年は勝利も挙げた得意な富士で、今年は2ポイントしか稼げなかったことも響いて総合10位に低迷。タイトル奪取が目標だった今季の予想外の不振を、車との相性が良いコースで修正したい。中山は「SUGOはRC Fとの相性が良いので、最低でもトップ5を狙っていく」と力を込めた。

apr上位フィニッシュだ!嵯峨初チャンプへ闘志

タイ大会の選手紹介でムエタイ選手に変装したaprの嵯峨(右)。この明るい雰囲気がチームの好成績を支える。左は平手(トヨタ提供)
タイ大会の選手紹介でムエタイ選手に変装したaprの嵯峨(右)。この明るい雰囲気がチームの好成績を支える。左は平手(トヨタ提供)
 aprの31号車(トヨタ・プリウス)が正念場の戦いに挑む。前戦富士で今季3度目の表彰台に上り、総合首位から6ポイント差の同2位で挑むSUGOのウエートハンディは90キロ。極めて厳しい条件ながら、車との相性が良いコースで上位に食い込めれば念願の初タイトルが見えてくる。

 今季から再加入の平手晃平(32)は「SUGOからの終盤3戦は僕らが得意なコース。シーズンが始まる前から、そこまでは何としても上位に食らいつく目標だった」と振り返る。装着するブリヂストンタイヤの開発が予想を上回り、想定外の上位につけた。

 「予定より良い位置にいるが、その分重たくなったのでSUGOでどこまでやれるか−。それがカギを握る」。10年ぶりの古巣復帰を果たした平手は、自身の使命をタイトル獲得に定める。その目標を達成するヤマ場がSUGOになった。

 コンビを組む嵯峨宏紀(35)は11年目のシーズンを迎えたが、ここまでタイトルとは無縁。2015年、16年にあと一歩まで迫ったが、いずれも総合3位、2位に甘んじた。「SUGOが正念場。何度も表彰台に上っているので、重くても無得点ということはない。トップ5に入れるか−」。ウエートの軽い車に食らい付き、初めての王者に就くため1ポイントでも多く積み重ねたい。

つちや飛躍へ!松井&坪井、“じゃじゃ馬”乗りこなす

SUGOで今季初勝利に挑むつちやのトヨタ86MC(GTA提供)
SUGOで今季初勝利に挑むつちやのトヨタ86MC(GTA提供)
 総合5位につけるつちやもSUGOでの飛躍を狙う。シリーズ運営団体が提供するマザーシャシーを使って開発したトヨタ86MCは、回り込むコーナーが多いテクニカルなコースとの相性は抜群だ。

 チームの技術面を支える土屋武士監督(45)は「SUGOは狙っているコースだが、かなり厳しい戦いになるのは覚悟している」と表情を引き締めた。今大会を前に発表された性能調整では、マザーシャシーの最低重量が前戦に比べ30キロも引き上げられたのだ。

 テクニカルなコースで速さを発揮する86MCだが、常にぎりぎりの戦いを強いられているという。速く走るため極限に調整した車両はどうしても神経質な性格となり、操るドライバーに多くのことを求める。土屋監督は「一発は出せるが、燃料を積んで走るレースではドライバーが頑張らないとならない。マザーシャシーは全てがそろわないと勝てない車」と説明する。

 ただし、つちやに所属する2選手の実力はトップクラス。「どんどん成長する(松井)孝允と坪井(翔)という最強の武器を使って、SUGOでは優勝を狙いたい」。難しいじゃじゃ馬を乗りこなす2人の踏ん張りで今季初勝利を挙げ、2年ぶりのタイトル奪還への弾みをつけたい。

 ★予選方式 第6戦のGT300クラスは今季から導入された新規則を採用し、予選Q1をA/Bの2組に分けて実施することになった。1周3・704キロとコースが短く、テクニカルなSUGOではコース上の混雑が激しくなるため。第5戦までのチームポイント順にA、B組に振り分ける。また、出走台数も28台に限定された。
予想外の好成績でウエートは重いが、得意なSUGOで上位進出を狙うaprのプリウス(トヨタ提供)
予想外の好成績でウエートは重いが、得意なSUGOで上位進出を狙うaprのプリウス(トヨタ提供)