マツダ「グローバルMX−5カップ」
9日開幕の「グローバルMX−5カップ」世界一決定戦に出場する堤優威(右)と吉田綜一郎=千代田区内幸町で(北田美和子撮影)
9日開幕の「グローバルMX−5カップ」世界一決定戦に出場する堤優威(右)と吉田綜一郎=千代田区内幸町で(北田美和子撮影)
 統一仕様のロードスターで争うマツダ「グローバルMX−5カップ」の世界一決定戦が9〜11日、米フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで開催される。日本からは、「グローバルMX−5カップ・ジャパン」で今季チャンピオンになった堤優威(23)と、シリーズ2位で最年少の吉田綜一郎(22)が出場する。激しいバトルで人気のワンメークレース。若武者2人に世界に挑戦する意気込みを聞いた。

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堤「2年前悔しい思いをした分、総合優勝果たしたい」

年は米カリフォルニア州のラグナセカで開かれた世界一決定戦
年は米カリフォルニア州のラグナセカで開かれた世界一決定戦
 さあリベンジだ。マツダ「グローバルMX−5カップ・ジャパン」で見事に今季チャンピオンに輝いた堤優威が、再び世界に挑む。

 堤は2016年、マツダ「ロードスター・パーティレース」王者として招かれ、米国で行われたMX−5カップの世界一決定戦(エキシビションレース)に出場。レース2で3位表彰台に上った。だが、レース1は8位だったため総合5位。悔しさをかみしめた。

 「当時はこのマシンに乗ったことがなく、初めての挑戦でもみくちゃにされた。左ハンドルにも慣れておらず、荷重のかかり方も逆だし、操作のタイミングも含めて苦労した」と振り返る。

 そんな中、MX−5カップの魅力にも自然と気付かされた。「それぞれのマシンに差がない。まさにドライバーの腕とレースの組み立て方で勝負が決まる。そこにすごく面白さを感じた」。

 今季、満を持して全5戦で争われる日本シリーズに参戦。開幕3連勝を飾って独走状態に持ち込むと、出場しなかった第4戦を終えた時点で、チャンピオン獲得が決定。昨年から正式に始まった世界一決定戦へのキップをいち早く手にした。

 「2年前に悔しい思いをした分、2レースとも優勝して、総合優勝を果たしたい。今回はすでにマシンに慣れた上で臨むんだから、自信はある」と力強い。

 自身について「初めてのコースでもパッと乗って、わりと順応できる。レース展開や周囲の状況に対する判断力も強みだと思う」と分析。一方、「すごく負けず嫌いなので、負けるとよく『顔に出てるよ』と言われてしまう」と笑う。

 レース経験のあった父に5歳のときからカートを仕込まれ、小学4年生のころにはプロレーサーになるのが夢となった。「レースのない人生は、自分にとって意味がないとさえ思う。将来はスーパーGTなどで活躍したい」。次のステップアップをかけ、雪辱のチャンスをきっちり生かす構えだ。

 ▼堤優威(つつみ・ゆうい) 1995(平成7)年9月9日生まれ、23歳。横浜市出身。2013年、レーシングカートの日本一決定戦で優勝し、米国での世界一決定戦に出場。15年「ロードスター・パーティレース」で王者となり、16年は「グローバルMX−5カップ」世界一決定戦エキシビションで3位表彰台を獲得。今季「グローバルMX−5カップ・ジャパン」王者に。

憧れの米国レース初挑戦「雰囲気勉強して優勝」

最終戦、大接戦を演じる吉田(左)と堤=富士スピードウェイで
最終戦、大接戦を演じる吉田(左)と堤=富士スピードウェイで
 ストックカーレース、米NASCARへの参戦を夢見る吉田綜一郎が「グローバルMX−5カップ・ジャパン」でシリーズ2位を獲得し、ついに世界への初挑戦を果たす。

 「米国レースの雰囲気をしっかり勉強してきたい。日本のマツダのレースなんだから、日本人としてぜひ優勝し、この世界一決定戦を盛り上げたい」と目を輝かせる。

 小学生のころ見た米映画「カーズ」で、NASCARの面白さに目覚めた。今年5月には参戦チームが集まる聖地、ノースカロライナ州シャーロットを訪問。「観客の多さは予想以上だった。クルマ好きしか見ない日本のレースと違い、興味のない一般の人も楽しんでる。やはりここを目指すしかないと思った」

 あこがれをさらに強めて帰国。だから米国レースへの足掛かりとなる今回の世界一決定戦には、どうしても出たかった。「勝てなければ今後の人生変わっちゃう」と決死の覚悟で日本シリーズ最終戦に臨み、見事に今季初優勝。残る1枚のキップをもぎ取った。

 「MX−5カップはギリギリ最後の一瞬まで誰が勝つか分からない。順位がめまぐるしく変わるのが魅力」と話す。「普段はリスクを負わない、ていねいなドライビングを心がけているけど、それが弱さに出るときもある。世界一決定戦は米国だし、スタイルを変えてガツガツいきますよ」と宣言した。

 ▼吉田綜一郎(よしだ・そういちろう) 1996(平成8)年9月28日生まれ、22歳。東京都町田市出身。レンタルカートで腕を磨き、2016年、軽自動車「N−ONEオーナーズカップ」で王者を獲得。「グローバルMX−5カップ・ジャパン」は昨年から参戦。昨年はシリーズ3位に終わったが、今季は2位につけ、世界一決定戦の出場権を獲得した。

ロードスターのワンメークシリーズ

 ◆グローバルMX−5カップ・ジャパン 北米仕様のマツダMX−5(日本名ロードスター)をベースに、同一仕様車、世界統一ルールで争うワンメークレースの日本シリーズ。全5戦で昨年から始まった。45分間のスプリントレース。左ハンドルのレース専用車両を用い、マツダが展開する国内の参加型モータースポーツの頂点に位置する。

 米国では2006年から始まった。日本シリーズの上位ドライバー2人が、MX−5レーサーNO・1を決める米国での世界戦への出場権を得る。世界戦の優勝賞金は5万ドル(約565万円)で、30台超の戦いとなる見込み。

 ちなみに、ロードスター・パーティレースは「純粋にレースを楽しみたい大人たちへ」をコンセプトに、02年から行われているロードスターのワンメークシリーズ。