スーパーGT特集(GT300)
ホンダで2010年のGT500王者に就いた小暮卓史(左)も今季からGT300のJLOCに加入した
ホンダで2010年のGT500王者に就いた小暮卓史(左)も今季からGT300のJLOCに加入した
 国内でナンバーワン人気を誇るスーパーGTを支えているのは、今季も39台がエントリーするGT300クラスだ。国内外のスーパーカーなど14車種が覇権を競う華やかさが売り。今季はGT500クラスで実績を残した小暮卓史(38)、ジョアオ・パオロ・デオリベイラ(37)=ブラジル、松浦孝亮(39)が新たに参戦。実力派選手がそろったことで、さらにハイレベルな戦いが予想される。また、通算20勝で並ぶ新田守男(52)と高木真一(48)の最多勝争いも見物。今季も岡山県の岡山国際サーキット(14日決勝)で幕を上げる。

小暮 韋駄天走り見せてやる

新しい挑戦を始めるランボルギーニ・ウラカンGT3
新しい挑戦を始めるランボルギーニ・ウラカンGT3
 GT300を侮る事なかれ。ドライバーとクルマの能力が高次元で求められ、世界的にも類を見ないハイレベルな戦いが毎戦繰り広げられている。そんなホットな戦いの場に、今季もGT500で実績を積んだ3人の人気ドライバーが加わった。

 JLOCのランボルギーニ・ウラカンを操るのは、韋駄天(いだてん)と呼ばれた2010年にGT500を制した小暮卓史だ。「昨年の最終戦を終えた段階でシートがないことが伝えられ、今季の活動を諦めていたときに誘っていただいた」。リアルに在籍した昨季も開幕戦で勝利を挙げたが、ホンダ陣営の若返りもあって15年間で通算9勝を挙げた最高峰クラスに別れを告げた。

 ウラカンに初めて乗ったのは第1回公式テスト(3月16、17日)が開かれた岡山国際サーキット。「クルマの動きがかなり違うので新鮮な気分。慣れは必要だが、走るのは楽しい」と約4カ月ぶりだったレーシングカーの走行を楽しんだ。

デオリベイラ 新天地でやる気満々!!

日産陣営を支えたデオリベイラもアストンマーティンでGT300に挑む
日産陣営を支えたデオリベイラもアストンマーティンでGT300に挑む
 富士スピードウェイ(静岡県)で開かれた第2回公式テスト(3月30、31日)でもタイムはいま一歩ながら、クルマの理解が進めば持ち前の速さを見せつけるはずだ。

 JPの愛称で親しまれるジョアオ・パオロ・デオリベイラも今季はGT300で戦う。インパルやKONDOでGT500通算9勝を挙げた実力者だが、13年間在籍した日産から離れ、新天地となるDステーションの門をたたいた。

 3月上旬に今年の愛車アストンマーティン・ヴァンテージGT3を初ドライブし、昨季まで乗っていた純粋なレーシングカーとの違いを一つずつ確認。「ダウンフォース(気流で押さえ付ける力)が少ないから、500と比べるとかなりフィーリングが違う。でも、今年は大きな転換期。僕の新しいチャレンジが始まる」とやる気満々だ。

松浦 欧米で鍛え上げた

新天地でGT300王者を狙う松浦孝亮
新天地でGT300王者を狙う松浦孝亮
 米インディカーの参戦経験もある松浦孝亮もGT500から転向する。欧米でのレース活動が長かったこともあり、500のフル参戦は6シーズンしかないが、ナカジマに所属していた17年の鈴鹿1000キロなど通算2勝を挙げている。

 所属は新興チームのアップガレージで、クルマを今季からNSXに変更したタイミングで加わった。「かなりツーリングカーの雰囲気。カチッとしている500とはずいぶん違うが、パッと乗ってそこそこいけた」。GT300でも3シーズン戦った経験があり、クラスを越えた乗り換えにもすぐに順応した。

 「300のレベルは高い。そう簡単には勝たせてもらえないだろう。まずは表彰台に乗り続ける戦いをしたい」。新たな戦いの場を得て生き生きとしていた。



◆納得できる戦いに 連覇へレオン慎重

 〇…昨季最終戦の大逆転で初タイトルを決めたレオンだが、連覇には慎重だ。大黒柱の黒澤治樹(41)は「昨年も厳しかったのに、さらに厳しくなった。コース上だけでなく、ピットを含めた戦いをするしかない」。乗り込むメルセデスAMGは性能調整が昨季より厳しくなり、ミスなく戦い抜くしか道は残されていない。「結果的に何位でも、自分たちが納得できる戦いをしたい」。チーム設立6年目で初戴冠した昨季と同じように、全戦入賞のしぶとい戦いを誓った。

◆精力的タイヤ開発 つちや

 〇…2016年以来のタイトル奪還に意欲的なのが、トヨタ86MCを自社開発するつちやだ。土屋武士監督(46)は「ヨコハマゴムと例年の5倍ぐらいミーティングを重ねた」と話す。昨季は年間総合トップ3をブリヂストンタイヤのユーザーに独占され、オフにはタイヤ開発を精力的に進め、第2回公式テストの総合トップタイムを記録した。エースの松井孝允(31)は「あくまでテスト。昨年も決勝で苦しんだことがある」と気を引き締めて開幕戦に臨む。