スーパーGT第3戦鈴鹿特集
第2戦富士で執念の3位表彰台に上ったクニミツの山本尚貴(左)とジェンソン・バトン。鈴鹿では真ん中を狙う(ホンダ提供)
第2戦富士で執念の3位表彰台に上ったクニミツの山本尚貴(左)とジェンソン・バトン。鈴鹿では真ん中を狙う(ホンダ提供)
 スーパーGT(SGT)はシーズン序盤戦を締めくくる第3戦(26日決勝)を迎える。舞台となるのは、ホンダが所有する三重県の鈴鹿サーキット。F1日本GPも開かれる伝統のコースはフットワークの良さが特徴というGT500クラスのNSXの車両特性にぴったり。陣営の5台が上位独占を狙うが、昨季王者でカーナンバー「1」を背負うクニミツの山本尚貴(30)/ジェンソン・バトン(39)=英国=組は必勝の決意で臨む。

山本「鈴鹿はホンダにもチームにも特別…」

鈴鹿ではウエートを吹き飛ばす快走を狙うクニミツのレイブリックNSX
鈴鹿ではウエートを吹き飛ばす快走を狙うクニミツのレイブリックNSX
 ディフェンディング王者、クニミツの2人が闘志を燃やす。GT500クラスで唯一エンジンを車体中央に搭載するミッドシップレイアウトを採用するホンダNSXは、難しいコーナーが続く鈴鹿が大好物だ。

 「鈴鹿は得意なコース。ウエートを搭載するけど、JB(バトン)と力を合わせて良いクルマを作りたい。ホンダにとってもチームにとっても特別。かなり力を入れて勝ちを狙いたい」

 チームをけん引する山本も力が入る。NSXの特性に合っているのはもちろん、鈴鹿はホンダが所有するホームコース。昨季8年ぶりにホンダに王者をもたらした陣営のエースとしては、絶対に落とすわけにはいかないのだ。

 そんな強い気持ちはバトンも一緒。「鈴鹿で僕らはとても競争力があると思う。ワクワクしているよ」。NSXの長所を存分に引き出し、F1時代から慣れ親しんだコースを疾走することに胸躍らせる。マクラーレンに所属していた2011年には表彰台の真ん中に立ち、SGTでも昨季は2位表彰台に上っている。

 クニミツの今季滑り出しは順調ではなかった。大雨に見舞われた4月の開幕戦(岡山国際サーキット)ではトップを走りながら、まさかの同士打ちで最下位。5月4日の第2戦(富士スピードウェイ)も予選では車両が跳ねる症状に悩まされて12番手に沈んだ。

 しかし、チャンピオンチームとなった今季はただでは終わらない。富士の決勝では中盤からじわじわと追い上げ、最後は3位表彰台まで駆け上がった。短い時間で車両の問題を改善したチーム力、ぬれた路面で晴れ用タイヤを履いて踏ん張ったバトンの力走、そして終盤に順位を上げた山本の爆発力が苦境を救った。

 山本は苦しい滑り出しから3位に入った第2戦を「チャンピオンチームらしい戦いができた。チームやJB、みんなの力で表彰台に上れた」と振り返る。不利が予想された最終戦で3位に食い込みタイトルを獲得した昨年の経験が、チームを大きく成長させた。

 鈴鹿には22キロのウエートハンディを搭載して挑む。同じNSX陣営でもっと軽いチームはあるが、狙うのは表彰台の真ん中。山本は「ウエートを積んでいても勝てるチャンスは必ずある」と言う。クニミツのNSXが鈴鹿で躍動する。

リアル鬱憤晴らすぞ!!

鈴鹿で鬱憤(うっぷん)を晴らすリアルのケーヒンNSX
鈴鹿で鬱憤(うっぷん)を晴らすリアルのケーヒンNSX
 リアルも必勝の構えだ。開幕戦は不本意な結果に終わり、優勝を狙えた第2戦も流れをつかめず5位。クルマとの相性が良いコースで鬱憤(うっぷん)を晴らしたい。

 エースの塚越広大(32)は「クルマの速さはある。鈴鹿ではしっかり結果を残せるよう気を引き締めて挑みたい」と入れ込む。優勝を争った開幕戦ではクニミツと接触してしまい、トップでゴールもペナルティーで14位に降格。鈴鹿で気持ち良く勝って、嫌な流れを吹き飛ばしたいのだ。

 今季からコンビを組むベルトラン・バゲット(33)=ベルギー=も意気込む。「ミスなく全ての力を投入し、チームに勝利をもたらしたい」。昨季まで5年間所属したナカジマでは1勝止まり。新天地で2年ぶりの勝利をつかみ新しいスタートを切りたい。

ARTA、富士の雪辱誓う

陣営のトップに立つARTAのNSX
陣営のトップに立つARTAのNSX
 〇…大荒れの開幕戦を制したARTAの野尻智紀(29)/伊沢拓也(34)組はNSX陣営トップのランキング3位につける。ウエートハンディも陣営で最も重い24キロを積むが、士気は高い。野尻は「鈴鹿は昨年優勝したところ。自信を持って挑みたい」と言い切る。第2戦富士で急に降り出した雨に足をすくわれた伊沢は「富士では良いところが出せなかったが、鈴鹿で挽回できるよう準備を進めている」と雪辱を誓う。

ナカジマ、前戦の粘り生かす

 〇…ナカジマの牧野任祐(21)/ナレイン・カーティケヤン(42)=インド=組は苦しみながらも開幕2戦で連続入賞を決めた。富士では予選最下位の15番手に沈みながら、決勝では10位をもぎ取った。中嶋悟監督(66)は「富士では2人のドライバーが踏ん張りポイントが取れた。そこで得られたものを鈴鹿につなげたい」。一歩ずつ階段を上る。


◆無限、努力が実るか!

 〇…今季から元F1の中野信治(48)が監督を務める無限は、まだ流れをつかめてはいない。前戦は浮き沈みが激しい戦いを強いられ、終盤に7番手から11位に失速した。武藤英紀(36)は「非常につらい状況になったが、データは収集できた。開発につなげたい」と前を向けば、同僚の中嶋大祐(30)も「富士の結果をきちんと整理して鈴鹿につなげたい」と歯を食いしばる。地道な努力を必ず実らせる。?