佐藤洋美の8耐ライダー直撃!!(1)FCC・TSR秋吉耕佑
安定したペースで周回を重ねる秋吉。強力なライバル勢が脱落するなか、全車をラップダウンする快走で復活を遂げた(カメラ=北村彰)
安定したペースで周回を重ねる秋吉。強力なライバル勢が脱落するなか、全車をラップダウンする快走で復活を遂げた(カメラ=北村彰)
 全日本ロードレース選手権JSB1000クラス開幕前の合同テストで大けがを負った秋吉耕佑(37)が復帰後初戦となる鈴鹿8時間耐久ロードレースでJ・レイ(25)、岡田忠之(45)とコンビを組み見事な復活を遂げた。優勝候補のライバル勢がトラブルや転倒で次々と脱落するなか、全車を周回遅れにする完勝劇。ケガを乗り越え連覇を達成した秋吉を直撃した。(聞き手=佐藤洋美)

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 ―8耐優勝おめでとうございます

 「3月下旬の左大腿(だいたい)骨骨折から1カ月以上も寝たきりでいたことを思うと…勝てて良かったなと思いました。医師の診断は全治6カ月ですから9月までは安静にしていなければならない計算。でも、体幹を鍛える効果的なエクササイズを考えてもらって実行したことで回復が早まったと思います。ケガをしたのが股関節だったので足に力を入れてはダメで、大事にしないとせっかくくっついた骨の部分が腐ってくると脅されました。まだ、走ったりできませんから」

 ―スタートライダーは諦めなければならなかったんですね

 「走れないので、ジョニー(レイ)に任せました」

 ―セッティングでいろいろと苦労されていたようですが?

 「ぎりぎりまで決まりませんでした。僕のセットアップにジョニーが合わせられないとか、そういうことではないんです。状況がそろわないというか、レースウイークまでテストしていたという状況でした。ジョニーが木曜日に転倒したのも、そのへんが原因でジョニーのせいではないですね。限られた時間の中で、決勝朝の走行まで使って考えていました。岡田(忠之)さんが交渉役をかってくれて走り回ってくれたので本当に助かりました。いろいろなことが本当に奇跡のようにうまくまとまったことで勝てたんだと思います」

 ―トップ10トライアルもセットアップしたのですよね。

 「決勝用タイヤでガソリン満タンですから、アタックは難しかったですね。でも、そこまでやらないと、という感じでした。アタックできないのは少し残念でしたが大事なのは決勝だからと割り切っていました」

 ―レイ選手も最初の1時間は慎重に走っているように思いました。

 「確認している部分もあったと思いますね。その後の走行は速いラップでリードしてくれたので助かりました」

 ―決勝では秋吉さんにしては珍しくタイムが安定していなかったようですが?

 「チームの方針として絶対に転倒しない、ペナルティーは受けないというのを徹底しようと話し合ったんです。だから黄旗には気を使っていました。青山(博一)君を抜いた時も黄旗だったかなと気になってすぐに前に行かせたんです。周回遅れも多かったから慎重に走っていました。確実にジョニーにバトンを渡すことだけ考えていました」

 ―ピットロード入り口でオーバーランした時は病み上がりだし体力的に辛いのかと思いましたが…

 「ピットロード入り口が狭くちょっと行き場を失っただけで体力的には問題なかったですよ。でも暑さもありましたし、きつかったのは事実です。ジョニーも相当辛かったと思います」

 ―清成選手が転倒してからはライバルがいなくなり楽になりましたか?

 「変わらずに安定して周回しようと思っていました。でもラストセッションは西コースで雷が鳴っていたんですよ。8耐は(バイザーに)虫がたくさんつくのですが、虫なのか雨なのかわからなくて慎重にゆっくりと走っていました」

 ―レイ選手が辛い8耐が終わってうれしい気持ちと、この感動をまだ味わいたい気持ちの両方があると記者会見で言っていましたが、秋吉選手も喜んでいましたか?

 「ケガからの復帰レースが8耐って…どうなるんだろうと…。だから、うれしかったです。8耐のために辛いリハビリを続けてきたわけですから、ホッとしました」

 ―1000万円の賞金の使い道は?

 「ゲームでも買いますか? 車も旅行も買い物もあまり興味がないんです。家でゲームをしたり、DVDを見たりするが好きなので…。次のSUGOに向けてのテストも始まります。MotoGPのテストもありますからのんびりしている暇もないですね。全日本復帰のSUGOも頑張りますから、ぜひ応援に来てください」