昨年は悔しくて悔しくて〜今年は放心状態…
佐藤洋美の8耐ライダー直撃!!(2)ヨシムラスズキ青木宣篤
疾走するヨシムラスズキの青木宣篤(中日新聞)
疾走するヨシムラスズキの青木宣篤(中日新聞)
 第35回鈴鹿8時間耐久ロードレース(7月29日決勝)に、J・ウォーターズ、L・キャミアとコンビを組んでヨシムラスズキから参戦した青木宣篤。予選、トップ10トライアルではウォーターズが快走をみせて3番手からスタートとなった。しかし、決勝ではまさかのトラブルでスローダウン。結局、185周リタイアに終わった。果たしてその時の心境は?(聞き手=佐藤洋美)

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 ―今年の8耐は残念でしたね。

 「昨年は悔しくて、悔しくてという思いが、ものすごく残っていたんですが、今年は放心状態と言うか…。月曜日にパドックにかたづけに戻るのですが、そこでも、みんな力が抜けたような感じでしたね」

 ―ヨシムラには珍しいトラブルが起きてしまった。

 「きちんと整備して、新品を装着しても、起きてしまうトラブルがあるものなので運が悪かったとしか言えないし仕方がありません。そのへんのやるせなさが辛かったです」

 ―黄旗のペナルティーもあった。

 「ジョシュ(ウォーターズ)は、黄旗に気が付いて抜いたライダーを前に出したりと気にしていたし気を付けていたようですが…。ペナルティーで、1分30秒のロス、あれはライダーとして、かなりテンションが下がってしまう。もっと気を付けなければならないということですね」

 ―今回の8耐はどのチームもセットアップに苦労している印象でしたがヨシムラは語学も堪能で海外経験も豊富な青木選手が外国人ライダーをうまくまとめていましたね。

 「ジョシュは、昨年ペアを組むことになって夏の間は僕の自宅に泊まり込んでいました。今年も同じように泊まりに来ていたんです。彼は日本人以上に日本人のようなメンタリティーを持っています。素直で言うことを良く聞いてくれるかわいい奴ですね。いろいろなことを吸収して、それをタイムに反映してくれました。8耐で大きく成長してヨシムラの士気を上げてくれたと思います」

 ―L・キャミアは?

 「レオンは体格が良くて、体重も身長も10キロ、10センチと違ったので、ポジションなど苦労しました。ステップの位置が違うんです。僕はつま先立ちで乗っているような状態で足がつりそうになっていました」

 ―普通は短い方に合わせるのでは?

 「テスト一発目にレオンが転んでしまって…。傷ついてもいるだろうし少しでも乗りやすい状況を作ってあげたかったんです。ジョシュは器用に合わせていました。足が長いのもあると思うけど(笑)」

 ―L・キャミアは、苦労しているような印象もありましたが?

 「レオンもレイもスーパーバイク世界選手権ライダーは、ピレリとブリヂストンの特性が真逆のようで、それに合わせるのに苦労していたようですね」

 ―それでも、レースウイークには3人のタイムも揃い始め、さすがヨシムラ、さすが青木選手と思ってみていました。

 「レオンは、典型的レーサーで、もっとこうしてくれたらタイムが出ると自己主張していましたよ。ライダーですからね。自分のセットアップでタイムを上げたい。それはみんなある。僕だって行きたい気持ちはある。でもそれを出してしまうとチーム力としてのバランスが崩れる。もちろん秀でたライダーにタイムを稼いでもらうやり方もあると思いますが、少なくても今年のヨシムラは3人がコンスタントにアベレージを刻もうとしていた。そして、それがうまく行っていただけに結果に結び付けられなかった無念さが大きい」

 ―J・ウォーターズの成長は、誰もが目を見張っていましたしヨシムラから海外へと飛び出す逸材として注目を集めています。

 「本人もそれを望んでいるし願いがかなうといいなと思っています。オーストラリア・スズキも、そう考えているようで、どんどん海外のレースを経験しろと言ってくれているようです」

 ―海外ライダーの若手を青木選手がうまくコントロールしてヨシムラパワーに変えて行くのは見ていてもワクワクするものがありました。来年は更にバージョンアップしたヨシムラに期待しています。

 「ありがとうございます。来年こその思いを結果にできるようにしたい。トーチュウを通じてのメッセージもありがとうございました。来年もヨシムラに呼んでもらえたら今年以上に頑張ることを応援してくれたヨシムラファンのみなさんに約束します」