吉川監督「あと3〜4年は勝たせてもらう」
第39回大会決勝
表彰台の中央で優勝トロフィーを掲げるヤマハファクトリー。2位のチームグリーン(左)、3位はヨシムラ(右)(カメラ=七森祐也)
表彰台の中央で優勝トロフィーを掲げるヤマハファクトリー。2位のチームグリーン(左)、3位はヨシムラ(右)(カメラ=七森祐也)
 【鈴鹿サーキット(三重県)田村尚之、遠藤智、佐藤洋美】2輪世界耐久選手権(EWC)第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレースは31日、決勝を行い、ヤマハファクトリーが昨年に続く連覇を圧勝で飾った。中須賀克行/ポル・エスパルガロ/アレックス・ローズ組はひとつのミスも犯さず、現在のコースレイアウトでは最多となる218周を走破した。2位にはチームグリーンの柳川明/レオン・ハスラム/渡辺一樹組、カワサキの表彰台は7年ぶりで、ワークスとしては16年ぶり。3位はヨシムラの津田拓也/ジョシュ・ブルックス/芳賀紀行組(スズキ)。(観衆=6万9000人)

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完璧なレースを見せた最強ライダー、中須賀の走り(カメラ=大橋脩人)
完璧なレースを見せた最強ライダー、中須賀の走り(カメラ=大橋脩人)
 ヤマハYZF−R1を駆る3人が、誰も寄せ付けなかった。スタートこそライバルの後ろを走って様子を見たが、満を持して18周目にトップに立つと、その後はゴールへ一直線。圧勝で連覇を飾った。

 歓喜の表彰台で中須賀は雄たけびを上げる。「やったぞー! もう最高! 昨年この景色を見て、また立ちたかった。3人ともしっかりと頑張れた」。昨年ヤマハに19年ぶりの8耐優勝をもたらしたが、一度味わった頂点はそう簡単に渡すつもりはなかった。

 昨年に続く優勝となったエスパルガロも「日本は最高、鈴鹿は最高。世界で一番の耐久レースは8耐だ」と感極まる。新加入のローズも「今日は僕の人生でのベストステージ。最高の仲間に恵まれた」と8耐初勝利をかみしめた。

 事前テストからヤマハファクトリーは頭ひとつ抜け出していたが、レースは何が起きるか分からないもの。勝って当然と思われることは大きなプレッシャーにもなる。車両作りを託された中須賀にはその思いが特に強かった。「(前年の)優勝者としてしっかり準備ができた。作戦通り自分たちの仕事をして、(連覇を)がっちりつかめた」。

 19年ぶりの優勝を果たした昨年は、新型車両を投入したことで試行錯誤の連続だった。レース後にさまざまなデータを検証し、車両のオーバーホールで得られた情報を精査すると、ぎりぎりの勝利だったことが分かったという。そしてレース戦略も含め150カ所の課題をあぶり出し、それをすべて克服。万全の準備が勝利につながった。

 「今年はディフェンディングチャンピオンというプレッシャーがあったが、1年かけてしっかりとマシンを作り、ピットワークも詰めてきた。それらを表現できた」。連覇を果たすための準備を進めた吉川和多留監督は仕事を果たした思いをかみしめる。

 ヤマハの連覇は1987年、88年以来。「申し訳ないが、あと3〜4年は勝たせてもらう」。吉川監督がヤマハファクトリー黄金時代の到来を宣言した。