トリックスターの面々。前列左から井筒仁康、出口修、エルワン・ニゴン、後列左が鶴田竜二監督(佐藤洋美撮影)
トリックスターの面々。前列左から井筒仁康、出口修、エルワン・ニゴン、後列左が鶴田竜二監督(佐藤洋美撮影)
 来夏の鈴鹿8耐を最終戦とする2輪の世界耐久選手権(EWC)の新シーズンに、カワサキ系のトリックスターレーシング(名古屋市、鶴田竜二監督)が初のフル参戦を開始。シーズン開幕戦の「ボルドール24時間」(17、18日決勝、仏ポールリカール)ではいきなり3位表彰台を獲得した。ひ弱だったチームがわずか3年で強い体質に。その“トリック”とは−。

12年鈴鹿で手応え

 鶴田竜二監督がEWC参戦を意識したのは、2012年の鈴鹿8耐がきっかけだ。

 通年参戦するGMT94チーム(フランス)と、激しい3位争いを繰り広げた。惜しくもトリックスターはリタイアに終わったが、GMT94のクリストフ・グィオ監督から「君たちがいたから表彰台に上がれた」と感謝の手紙が届いた。これを読んだ鶴田監督は「世界耐久の強さを学びたい」と参戦を決意したのだ。

 翌13年に仏ルマン24時間レースに初挑戦。給油口の直径の違いに手間取ったり、サインボードが見えにくかったりと小さなミスが重なり、無念の9位。「完走はできたが、悔しかった」と指揮官は世界への本格参戦をさらに意識した。

 以後、アジアを転戦するアジアロードレース選手権にも進出。チーム力を高めた。今季開幕戦のボルドールは出口修/井筒仁康/エルワン・ニゴンのトリオでエントリー。現地スタッフもルマンに参戦した時の3分の2にあたる15人にスリム化。それにより各自の責任感も増し、過酷な状況の中でもきっちりと機能した。

タイトル狙うぞ!

 決勝ではチーム一丸で3位を奪い、鶴田監督は「できることを確実にこなしてミスがないようにと心掛けた。しっかりと力をつけてタイトル争いがしたい」。新たな挑戦は始まったばかりだ。 (佐藤洋美)