公開合同テスト第2日
本業は個人タクシー運転手の吉道竜也さん(本人提供)
本業は個人タクシー運転手の吉道竜也さん(本人提供)
 【鈴鹿サーキット ペン=遠藤智、佐藤洋美 カメラ=竹内英士】異色の二刀流ライダーが6年連続6回目のチャレンジだ。奈良県に本拠を置くスズキ系チーム「ドッグハウスBOMクード」からエントリーした吉道竜也さん(48)=札幌市出身=は本業がタクシードライバー。過去最高位は26位で2年ぶりの完走と上位フィニッシュを目指す。2日目のトップタイムはホンダを駆るTSRのドミニク・エガーター(26)=スイス。

レースのため働く

快調にタイムを縮めた
快調にタイムを縮めた
 レース歴29年、タクシー運転手歴24年。異色のキャリアを持つ苦労人の吉道さんが真夏の祭典に挑む。

 「19歳で地元北海道でレースを始め、以来、レースをやるために働いてきたようなもの」。それまでとび職や自動車メーカーの期間工などをしていたが、本格的にレースを始めるため1993年、25歳の時にタクシー運転手に転身。2000年に上京して以降もレース活動を継続し、10年に個人タクシーを開業した。

 時間的に余裕が生まれたことから鈴鹿サーキットで行われる地方戦を中心に活動。レースを始めたころからの夢が鈴鹿8耐だったそうで、12年に念願の初出場。今年が6年連続の挑戦で、自己最高位は予選が15年の29番手、決勝が14年の26位だ。

 今後も力のあるチームから参戦を続けたい意向で「65歳まで現役を続ける。目標は表彰台に立つこと。年齢的にも表彰台を狙えるのはあと数年。一年一年が勝負」ときっぱり。今年の所属は奈良県に本拠を置く「ドッグハウスBOMクード」。エースライダーでチーム監督の岩谷圭太(41)、鈴鹿を中心に活動する安福央樹(35)とトリオを組む。

 資金稼ぎに苦労した経験を生かしてタクシーの中にはちゃっかりとスポンサー募集の広告を貼っている。「それを見てお客さんと話が弾むこともあるし、レースのPRをするのが楽しい。今年はここまで順調。マシンはスズキGSX−R1000でポテンシャルはあるし、3人のチームワークもいい」と手応えをアピールした。

 レースをやっているせいか、タクシー運転手としては安全第一。違反もない模範ドライバーだ。が、ひとたびコースに出れば、コンマ1秒を削るためにギリギリを攻めまくる。

 今年の大会目標は、予選、決勝で自己ベストを狙うこと。「その自信はある」。吉道さんが陣取るピットのムードも上々だ。

 ▼吉道竜也(よしみち・たつや)。1968(昭和43)年10月30日生まれ。札幌市出身。87年に北海道スピードパークでレースデビュー。94年、国際ライセンス取得。2000年に上京し、03年から全日本ロードレース選手権のST600クラス、GP−MONOクラスなどに参戦。鈴鹿8耐は12年から6年連続6回目の出場となる。本業は個人タクシー運転手。
チームメートの安福央樹(左)、岩谷圭太(中)とともにサムアップする
チームメートの安福央樹(左)、岩谷圭太(中)とともにサムアップする