第2回公開テスト第3(最終)日
伸びしろの大きい19歳の中島元気。大排気量にも気後れしない
伸びしろの大きい19歳の中島元気。大排気量にも気後れしない
 【鈴鹿サーキット(三重県) ペン=佐藤洋美 カメラ=竹内英士】 今春からホンダの正社員となりながらレース活動を続ける中島元気(19)が初めての8耐挑戦に向けて日々進化を遂げている。所属するのはホンダの社員で構成される名門チーム「ホンダ浜友会浜松エスカルゴ」。大先輩のベテランライダーに学びながらトップへの階段を上ることを目指す。テスト最終日の最速タイムはカワサキ・チーム・グリーンのジョナサン・レイ(31)=英国=が記録した。

親に負担かけない

SRSの星を目指す中島
SRSの星を目指す中島
 異色の経歴だ。鈴鹿のレーシングスクール「SRS−Moto」で好成績を残した中島は、昨年からスカラシップを獲得して全日本ロード選手権のJGP3クラスに参戦中。トップ選手への階段を順調に上っているが、今春からホンダの正社員となった。

 「親は普通の会社員。やりたいことを我慢して応援してくれた。高校を卒業したら負担をかけないでレースを続けたかった」。SRSは小学5年から通い、6年間でかかった費用は400万円を優に超える。もう負担はかけられない。

 現在、浜松市にあるホンダのトランスミッション製造部に勤務し、製造工程の研修を受けている。そして有給休暇を使いながらスカラシップで全日本のJGP3にフル参戦し、4レースを終えて総合2位でタイトルを狙える位置につける。

「レース続ける道」

 「世界に行きたい夢を捨てたわけじゃないけど、ずっと大好きなバイクに乗り、レースを続けられる道として社内チームで走り続けることを選んだ」

 今年は初めての8耐。排気量1000ccのスーパーバイクに乗るのは3度目だったが、初めて乗った時よりもベストタイムを9秒も縮め2分15秒台まで詰めた。16回目の挑戦となるベテランチームメートの野寄真二(46)は「若い子はどんどんタイムを縮めるからおもしろい」と目を細めた。

先輩の日浦が目標

 テスト最終日に61番手(Tバイクを含む)を記録したチームの目標は「トラブルなく210周を走り切ること」ながら、中島は「もっとタイムを詰めたい。目指すは鈴鹿レーシングの日浦大治朗さん」と勇ましい。最終日にワークス勢に割って入る5番手タイムを記録したSRS出身でホンダの社員ライダーとして活躍する先輩を目標に定めた。「社員ライダーだって速くなれるってことを見せたい」。中島の挑戦は始まったばかりだ。


 【お詫び】7月13日配信時点で、1枚目の走行写真が「ヨシムラの渡辺一樹選手」となっておりました。お詫びして訂正いたします。