ヤマハ8耐5連覇へ
「TECH21」の復刻カラーのマシンを囲む(左2人目から)ヤマハのMS戦略部の堀越慶太郎部長、中須賀克行、吉川和多留監督、MS統括部の辻幸一部長=東京・六本木のAXISGALLERYで(七森祐也撮影)
「TECH21」の復刻カラーのマシンを囲む(左2人目から)ヤマハのMS戦略部の堀越慶太郎部長、中須賀克行、吉川和多留監督、MS統括部の辻幸一部長=東京・六本木のAXISGALLERYで(七森祐也撮影)
 鈴鹿8時間耐久レース(7月28日決勝、三重・鈴鹿サーキット)で5連覇を目指すヤマハは22日、東京都内で記者会見し、1985年から6年間参戦した「資生堂TECH21(テックツーワン)レーシング」の復刻カラーで参戦すると発表した。ベース車両「YZF−R1」が98年の発売から今年で21年を迎え、エースゼッケン「21」の発祥チームでもあることから採用した。同社が90年に平成最初の8耐勝利を飾ったチーム。令和初の大会でも1勝を重ねる。

ゼッケンと同じ21周年

1990年に優勝した平忠彦の走り
1990年に優勝した平忠彦の走り
 1980年代の8耐ブームの火付け役となったテック21のカラーリングが鈴鹿に戻ってくる。ヤマハの参戦会見で復刻カラーがファクトリーチームに採用されることが発表された。5連覇を目指すチームの起爆剤となる。

 ヤマハの堀越慶太郎MS戦略部長は「今年のスローガンは『令和序章』。YZF−R1の初代モデルの発売からゼッケンと同じ21周年を迎え、80年代に一世を風靡(ふうび)したテック21を復刻した」と宣言した。

 「テック21」とは化粧品メーカーの資生堂がかつて販売していた男性向け基礎化粧品ブランド。85年に日本で絶大な人気を誇った平忠彦とロードレース世界選手権500ccクラスでタイトル3度を記録したケニー・ロバーツ(米国)を擁するチームをタイトルスポンサーとしてサポートし、同時に平をテック21のCMにも起用した。

 90年に平が8耐初優勝を飾るまで計6年間にわたって「資生堂テック21レーシング」として支援を続け、堀越部長も「懐かしさを感じるかつてのファンが家族や仲間たちと、また、鈴鹿8耐に来てほしい」と願いを込めた。チームによると、復刻したのは85年のカラーリングで車体にブランド名が躍るが、「資生堂のテック21が再び販売されるわけではない」としている。

 選手陣容に変更はなく、3年連続で中須賀克行(37)、アレックス・ローズ(28)=英国=、マイケル・ファンデルマーク(26)=オランダ=の3人。81年生まれの中須賀はテック21チームの活躍ぶりについて「諸先輩から素晴らしい戦いだったと聞いている。その伝説を引き継ぎ、重圧のかかる戦いになる」と語り、「全日本チャンピオンを含め、節目では、きっちりと結果を残している。今年も責任を果たしたい」。自身の5連覇へ向けても強い決意を示した。

 「エンデュランスライトブルー」とも呼ばれた渋いカラーリングをまとい、令和最初の大会でもライバル陣営を蹴散らす。 (佐藤洋美)

平忠彦さん採用喜ぶ

 テック21で一大ブームを巻き起こした平忠彦さん(62)も復刻カラーの採用を喜んだ。

 「テック21で鈴鹿8耐に挑戦していた時から、随分と長い時間がたったのだなと時の流れに驚きます。8耐5連覇挑戦の大変な年にテック21のカラーリングが復活することは喜ばしいこと。資生堂の方々が力を貸してくれたことにも感謝します」と話した。

 自身は1992年にいったんは現役を引退したが、95年に8耐限定で現役復帰。96年にも出場した。8耐にゲストとして足を運んだのは2017年が最後という。「現場には参らないが、ライダー3人が力を合わせ、表彰台の真ん中で脚光を浴びることができるよう静かに応援したい」とエールを送った。