2017年WGP開幕特集(1)
テストで快調な走りを披露した中上貴晶。どんな条件でもセットアップを決めることがタイトルへの必須条件だ(遠藤智撮影)
テストで快調な走りを披露した中上貴晶。どんな条件でもセットアップを決めることがタイトルへの必須条件だ(遠藤智撮影)
 ロードレース世界選手権(WGP)が今週、カタールで開幕する(26日決勝)。残念ながら最高峰のモトGPクラスには今年も日本人ライダーのフル参戦はかなわなかったが、モト2にはともにカレックスに乗る中上貴晶(25)と長島哲太(24)、さらにモト3には3年目の鈴木竜生(22)に加え、佐々木歩夢(16)と鳥羽海渡(16)=全員ホンダ=が新規参入。5人の日本人がフル参戦するのは2009年以来8年ぶり。日本のファンにとって久しぶりにワクワクする年になりそうだ。(ペン&カメラ=遠藤智)

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 中上貴晶が今年こそタイトル獲得、そして来季のモトGP参戦を決める。

 昨年は念願の初優勝を達成し、自己最高のランキング6位を獲得。勢いに乗る今年はウインターテストでも好調。何よりも、走りが変わった。限界を超えるチャレンジを何度も実践。「何が何でもイチバン」という強い意志をみなぎらせている。

 昨年11月にヘレスとバレンシア(ともにスペイン)で行われた合同テストでトップタイムをマークした。それを皮切りに、今年2月に行われたヘレスとバレンシアの合同テストでは、その速さに一段と磨きをかけて連続のトップタイム。3月8〜10日のヘレスでは2度の転倒で総合7番手だったが、開幕直前のカタールテスト(18、19日)では総合首位を“奪還”。絶好調で開幕戦を迎えることになった。

 昨年は決して得意ではないオランダGPで念願の初優勝、「一番嫌い」(中上)なザクセンリンク(ドイツGP)でPPを獲得するなど、苦手意識を克服した。だが、予選までの調子の良さを安定して結果につなげられなかった。マシンのセットアップが不安定で、コンディションの変化に対応できなかったのだ。その反省を生かし、今年はどんなコンディションでも積極的にコースに出て、さまざまなセッティングにトライしている。

 「今年の目標はチャンピオンを獲得すること。数値目標は置かず、毎戦優勝を狙っていく」

 モト2で6年目のシーズン。毎年チャンピオン獲得とモトGPへのステップアップを目標に掲げてきたが、今年はその2つが完全に視野に入った。「去年の優勝達成でいろんなことが変わった。しっかり成績を残せばモトGPに上がれる可能性が高い。それがいいモチベーションになっている」と瞳を輝かせた。

 「自分にとって今年は飛躍のチャンス。そのチャンスをしっかりものにしたい。カタールは得意なサーキット。ここで結果を残して勢いをつけたい」。中上はスタートダッシュを狙っている。