ホンダ進化、表彰台独占も
2018年WGP開幕特集(2)
久々の日本人Vなるか。タイの合同テストで手応えを得た中上貴晶(遠藤智撮影)
久々の日本人Vなるか。タイの合同テストで手応えを得た中上貴晶(遠藤智撮影)
 今季も粒ぞろいだ。注目は日本人として4年ぶりにモトGPのレギュラー参戦をつかんだLCRホンダの中上貴晶(26)。2014年の青山博一(ひろし)以来のフル参戦となる。ホンダ勢では3年連続5度目のタイトルを目指すレプソル・ホンダのマルク・マルケス(25)=スペイン=が大本命だ。対するヤマハ勢は大ベテランのバレンティーノ・ロッシ(39)=イタリア=が今年も元気いっぱい。マーベリック・ビニャーレス(23)=スペイン=も上り調子だ。 (遠藤智)

待ってた最高峰

 心待ちにしていた日本人モトGPライダーが久々に誕生した。中上貴晶も最高峰カテゴリーに挑む難しさ、期待の大きさを分かっている。

 「モトGPはすごいライダーが集まっているし、甘くはない。でも、一日も早く表彰台に立ちたい」。10代のころから逸材として期待されるもモト2では6年間も過ごした。最終的にホンダの後押しはあったものの、本人にとってはこれがラストチャンスだったかもしれない。

 1月に解禁された冬季テストでは高い評価を得た。モトGPに初参戦する若手は4人いるが、合同テスト9日のうち8日間で中上がルーキートップタイムだったのだ。落としたのは最後の実走機会となったカタール合同テスト最終日だけ。惜しくも転倒を喫し、モト2王者のフランコ・モルビデッリにトップの座を明け渡した。

 「転んだのは2コーナー。初日に転倒したマルク(マルケス)と同じようにフロントから一気に…。バイクを倒し込もうとした瞬間で、何が起きたか分からなかった。あの転倒を除けば、テストは順調だった」と自信をのぞかせた。中高速コーナーではトップグループと遜色のない走りで関係者をうならせた。

豊富な海外経験

 海外に飛び出したのは2006年。モト3にデビューしたのも翌07年と国際経験は豊富だ。モトGPでも一緒に戦ってきた選手は多く、チャンピオンのマルク・マルケス(スペイン)を筆頭に、スズキのアンドレア・イアンノーネ(イタリア)、ヤマハ・テック3のヨハン・ザルコ(フランス)らが下位カテゴリーでライバルだった。

 オフシーズンに課題も見つかった。モト2マシンと比べて圧倒的にスピードが速く、ヘアピンなど低速コーナーの対応にてこずった。コーナリング時に思うようにバイクを寝かせられることができなかったという。

 「もう少し。1月のマレーシアテストで感じた体力不足も、トレーニングの強化で着実に解消していると思う」と弱点克服に必死。今年の目標についても「ルーキー・オブ・ザ・イヤーを狙う」と控えめに語るのみだ。

 開幕戦の舞台はモト2時代から得意にしているカタール。デビュー戦から世界をあっと言わせたい。

 ▼中上貴晶(なかがみ・たかあき) 1992(平成4)年2月9日生まれ、千葉県出身。2006年に全日本ロードレース選手権のGP125を史上最年少の14歳で制覇。スペイン選手権を経て、07年最終戦バレンシアGPでモト3クラスからWGPデビュー。10、11年は全日本を戦い、12年にモト2クラスでWGPに復帰。16年のオランダGPで初優勝。昨季はイギリスGPで自身2勝目を挙げてランク7位。