日本人ライダーが最も多く参戦するのがモト3クラスだ。今年は開幕戦で鳥羽海渡(19)が、第13戦サンマリノGPで鈴木竜生(22)が初優勝を飾る大豊作の年。ルーキーの小椋藍(18)らも好調とあって、母国戦優勝の可能性は例年以上に高まっている。また、モト2クラスの長島哲太(27)も初ポールポジションを奪うなど、速さが研ぎ澄まされている。多士済々の両クラスは期待十分だ。 (ペン&カメラ=遠藤智)

劇的な5年目「和製イタリア人」

 今季、モト3クラスで最も存在感をアピールしているのが、5年目のシーズンを迎える鈴木竜生(ホンダ)。第3戦アメリカズGPではレース中盤までトップを走り、周囲を驚かせた(結果は転倒リタイア)。

 そして、続く第4戦スペインGPでは、今季初のフロントローとなる予選2番手から、決勝では大接戦の末に2位と、初表彰台を獲得した。竜生が所属するのは、2011年のマレーシアGPのレース中の事故で亡くなったマルコ・シモンチェリさんの父・パオロさんが興した「SIC58」。スペインGPではチームメートのニッコロ・アントネッリ(イタリア)が優勝し、チーム初表彰台が初のワンツーフィニッシュという素晴らしい結果になった。

 さらに、シリーズ後半戦に入った第13戦サンマリノGPではついに優勝。しかも、ポールtoウインで快挙達成だ。

 「ここはチームの本拠地で、シモンチェリさんの名前がついたサーキット(ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ)。ミサノで優勝できることくらいうれしいことはない。そしてミサノは、富沢祥也さんが亡くなったサーキットであり、日本人にとっては本当に特別な場所。優勝はできすぎどころか完璧だった」

 一皮むけた要因は、ウインターテストからバイクのベースのセッティングが良く、レースウイークに入ってもタイヤテストとロングランに重点を置く走りができたことに尽きる。

 全日本ロードの経験はなく、16歳でいきなりスペイン選手権(現在のFIM・CEVレプソル国際選手権)に挑戦した異色の経歴の持ち主。時間があればバイクに乗ってトレーニングを欠かさない頑張りで、チームに溶け込むためにイタリアに住んで「和製イタリア人」と自称している。

 今年の日本GPの目標は表彰台獲得、そして優勝だ。日本GPのベストリザルトはウエットレースとなった17年の4位。「成長した自分をみてもらいたい」という竜生の走りが日本GPを盛り上げる。