’95第6戦イタリアGP編
人気もうなぎ上りのノリック(カメラ=竹内秀信)
人気もうなぎ上りのノリック(カメラ=竹内秀信)
 イタリアGPは超プレッシャーのかかったレースだった。だって、ムジェロは初めてのサーキットなのに、予選初日からケニーさんやテストライダーのランディ(ランディ・マモラ)に、何が問題なんだ、どうしてタイムが出ないんだって言われっぱなしだったからなんだ。

 今まで、そんなことあんまり言われなかったのに、急にどうしてなんだろって。自分では予選1日目の1分57秒だって、初めてのコースだし、まずまずだって思っていた。そりゃ、ドゥーハンよりは2秒以上も遅かったけどね。

 でも、よくよく考えてみれば、開幕戦からケニーさんは僕にはほとんど何も言わなかった。だけど、シーズンも中盤に来て、そろそろ言ってもいいかなって思い始めたんじゃないかなって。それだけ期待されているってことだし、もっともっと頑張らなければって思った。

 結果は6位。今回のレースの目標は5位になることだったし、残念だったけど、まあまあ、いいレースができたと思う。これがドゥーハンとビーティーと競り合いましたっていうんだったら、もっともっとカッコ良かったのになあ。

 だから、今回はチェッカーを受けた時に、オレは怒ってるぞって感じで、ビュ〜ンって感じでどんどん前にいってしまったんだ。いつもみたいにウィリーをバンバンしていたら、僕の後ろでゴールしたバロスに、なんだこいつ、6位で喜んでるぞってなめられると思って。それでどんどん前に行って気がついたら、優勝したドゥーハンよりも前に出てしまった。で今度は、6位なのにドゥーハンよりも目立っちゃ悪いと思ってペースを落としてウィリー作戦に切り替えた。でもそのウィリーも、6位だから3回か4回くらいで控えめにしておいた。

 でもね、今回のレースで僕の人気は上がったと思う。だって、ゴールしてからオフィシャルがすごく声をかけてくれたし、ピットの裏にもすごい人が待っていてくれたんだ。ホント、びっくりした。イタリアGPは、プレッシャーもかかったし苦労もしたレースだった。その反対に、得るものもたくさんあったし自信にもなった。

 それと今回印象に残ったのは、シュワンツが引退したこと。あんなに速かったのに、残念だし、かわいそうな気がした。引退発表をした金曜日の夜に、ケニー・ジュニアのモーターホームでシュワンツとビーティーがお酒を飲んでいた。僕もそこにいたんだけど、ビーティーはいい酔い方だったけど、シュワンツは悪酔いで超〜酔っぱらっていた。

 引退発表の時にシュワンツが泣いたって後で聞いたけど、何となく見てるのがつらいほどの酔い方だった。

 次のオランダGPのアッセンはコースがものすごく難しいって聞いているし、ムジェロ以上に超〜プレッシャーがかかるんだろうなあ。よ〜し、頑張るゾッ!

■1995年6月14日掲載