第13戦オーストラリアGP編
優勝を狙ったが5位と悔し結果に終わったノリック=写真はアルゼンチンGPのもの
優勝を狙ったが5位と悔し結果に終わったノリック=写真はアルゼンチンGPのもの
 WGP第13戦豪州GP決勝でノリックは、予選9番手から好スタート。トップを快走するドゥーハンを追い、A・バロス、A・クリヴィーレ、S・クラファーと2位争いを展開したが、最後は滑り出したタイヤと格闘して5位でゴールするのがやっと。自信があったフィリップアイランドだっただけに、ガックリ肩を落とした。
 今回は日本GPと同じくらいの気持ちだった。開幕前のテストでもここではいいタイムを出していたし、その走りができれば絶対に優勝、と思っていた。

 去年もドゥーハンと競り合った。最後はタイヤトラブルでペースダウンして3位だったけど、ドゥーハンより速いコーナーはいくつもあったし、雪辱を果たそうと心に誓っていたんだ。

 初日から超〜気分が入っていた。でも、最初のフリー走行では自己ベストより約2秒も遅い1分35秒台の5番手。全体的にタイムは伸びていなかったけれど、ドゥーハンだけはあっさり33秒台、さすがだ。予選ではすぐに34秒台前半が出た。なのに、これなら33秒台、というペースのラップで岡田さんとぶつかりそうになって、アタックを断念せざるを……。

 なかなかクリアラップが取れないサーキットでせっかくのチャンスをつぶし、すごく悔しかった。何もなければ自己ベストの33秒台前半はいけた。悔しくて、岡田さんに思い切り怒りをぶつけてしまった。予選終了後、岡田さんは「ノリ、ごめん」と謝ってくれたけど、それにしても、う〜ん、残念。

 2日目は快晴だったけど、フルー走行から風が強くて、とてもアタックできる状態じゃなく、頑張ったけどだめ。何人かがタイムを上げたので初日の8位から9位に後退。初日の失敗をいまさらながら悔やんだ。

 でも、決勝になれば、という自信は一度も崩れなかった。ウオームアップでも3位だったし、優勝しか頭になかった。終盤までタイヤがもてばいけると考え、ハードコンパウンドを選んだ。

 トップグループで前後ともにハードを選択したのは僕だけ。前半は苦しいけど、後半でいけるという“ヨミ”だった。序盤はビアッジとバロスと絡んでドゥーハンに離されたけど、やがて2〜3秒ぐらいの差で、周回によっては差が詰まってきた。これなら。でも、中盤に入ってグリップが急激に落ちた。コントロールが難しくなり、また離されだし、ゴールしてタイヤを見たら、前後ともにボロボロ。ミシュランのドゥーハンやクリヴィーレ、バロスはそんなにひどくなかったから、きっと、路面温度とハードコンパウンドのマッチングが悪かったのかも。でも、タイヤの選択で後悔はしていない。すべては予選で何が一番いいのかをきっちり決められなかった自分のせいだから。

 それにしても悔しい。滑り出すまで、コーナーではだれにも負けてなかった。だから、帰国しても悔しくてたまらない。家に帰ってビデオを何回も見直したけど、見れば見るほど、悔しさが募るレースだった。

■1998年10月7日掲載