第13戦バレンシアGP編
いつものロケットスタートが見られず、中団でもがくノリック(6番車)
いつものロケットスタートが見られず、中団でもがくノリック(6番車)
 第13戦バレンシアGPの阿部典史は、予選は今季最悪の16位、決勝でも4周目に転倒して早々とレースを終えた。夏休み明けの第11戦チェコでは転倒、第12戦ポルトガルでも9位と不完全燃焼のレース続きでショックは大きい。一体、何が悪かったのだろうか――。
 ――何て言っていいのやら、のレースだったね。

 ノリック「残念でした。ほんと、何て言っていいのやらですね」

 ――ピットに帰って来てから、めちゃめちゃ落ち込んでたよね。

 「がっくり、でした。これが思い切り走って、思う存分に攻めての転倒だったら、まだ、救いはあるけど、転んだ時は全然攻めてなかった。スタートも良くなくて、ラコー二に引っ掛かってモタモタしているうちに、あれって感じであっけなく転んでしまった」

 ――転んだ後、オフィシャルにバイクを片付けられて、それを追っかけてるシーンが、なんだか、ノリックらしくて良かったなあ。

 「転んでしまったけど、また、走ろうと思ったんですね。それなのに、すごい勢いでバイクを片付けられてしまった。お〜い、オレは走るんだって言っても、だめだめって聞いてくれない。くっそ〜、なんだよ〜と思ったら、フロントのブレーキホースがちぎれていて、ばしゃばしゃオイルがこぼれてた。ああ、これはだめだって、あきらめた」

 ――へえ〜、そうだったんだ。でも、それもこれも予選が良くなかった。得意なバレンシアでうまく走れなかったのはなぜ?

 「初日はいい感じで4番手だったのかな。それが予選でフロントが滑って、転倒寸前のビッグスライドを味わって、それからだめになってしまった。何とかいいセッティングを見つけようと努力したけど、変えれば変えるほどだめになった。で、決勝が結果として一番だめに……」

 ――早い話が、セッティングを外してしまったわけだね。

 「そうなりますね。でも、これだけ悪いレースが続くと、もう、セッティングうんぬんでは自分を納得させられなくなってしまう。完全にスランプ」

 ――そうかな? スランプっていうほどじゃないと思うけどね。

 「どうしてですか」

 ――だって、スランプだったら、たとえ初日だけでも、いいタイムなんて出せないんじゃないの。

 「まあ、そうですけどね。初日のフリー走行はいきなりタイムが出たし、やっぱり、ここは得意なサーキットなんだって思ってましたからね。だから、それからがだめで、余計に落ち込んだ」

 ――落ち込んでいたって、速くはならないよ。次のリオGPは、ノリックがいままで2回勝っているとこだから絶対に勝たなきゃだね。

 「まあ、そんなこともあって、今日から2日間、バレンシアでテストするんですけどね。そこでいい状態を見つけたいですね」

 ――おお、テスト嫌いのノリックから、こんなせりふを聞くとは……。

 「ほんと、何とかしないといけないって思っているんですよ」(聞き手=遠藤智)

■2000年9月19日掲載