最終第16戦オーストラリアGP編
GP前はカンガルーとたわむれたノリックだが、決勝は不本意な結果におわりうなだれた(AP)
GP前はカンガルーとたわむれたノリックだが、決勝は不本意な結果におわりうなだれた(AP)
 得意とするフィリップアイランド。今年こそ優勝と意気込んで乗り込んだ阿部典史だったが、大混戦の中にのみ込まれ、残念無念の6位に終わった。予選は初日4番手と好発進。2日目は11番手に沈んだものの決勝に向けて自信はあった。スタートも決まり、序盤はトップグループの上位につけたが……。バリ島に飛んだノリックの心境は――。(聞き手=遠藤智)
 ――決勝はトップグループが10台以上の大混戦。久しぶりにすごいなあと思ったけど、ノリックの予想通りになったね。

 ノリック「予選を終えた時に、みんなのタイムが接近していたし、これはすごいことになるなと思っていた。で、予想通りの展開になったけれど、自分が6位に終わったのは予想外だった」

 ――それを言おうと思っていたら、先に言われてしまった(笑)。で、単刀直入に聞くけど、何でダメだったの?

 「走り自体は悪くはなかった。というよりも、リオ、もてぎ、そして今回とどんどん良くなっていた。でも、今回のような混戦になると、自分の走りができない。それはブレーキングが無理のできないセッティングということもあるけど、前の選手をなかなか抜けなくて手間取っているうちに、他の選手に抜かれてしまう。それでずるずると落ちてしまうんですよね」

 ――でも、混戦になるのは分かっていたんだし、ブレーキングで無理のできるセッティングにすれば良かったのに……。

 「できてたら、そうしてますよ。できなかった、というか、速く走るためにはどっちかを優先させなければいけない。フィリップアイランドは高速コース。コーナーの速さを優先するしかなかった」

 ――ということは、スタートで前に出て逃げるしかなかったんだ。

 「逃げるだけのアドバンテージはなかった。でも、トップについていくのは何でもないことだった。でも、ケニーとマクウィリアムズと絡んでからは、3台一緒にじりじりと後退。最後はトップの3台に3秒も離されてしまった。とにかく自分のレースができなかったのが残念。リオももてぎも悔しかったけど、今回は、やっぱり最終戦ということもあって、超〜悔しかった」

 ――今年は、ほんと悔しいレースが多かったよね。どう、1年を振り返って。

 「シーズンの序盤はいい感じで始められたと思う。でも雨続きの中盤戦で調子を落として、やっと調子が上向いてきたと思った終盤では、走り自体はいいけど、なぜか結果を残せなかった。不本意。不完全燃焼。もう、何だか最悪のシーズンだなって……」

 ――でも、もう終わってしまったんだよね。

 「そう、今年も終わっちゃったんですよね。でも、朝起きると、不思議とシーズンが終わったような気分じゃない。さあ、次はどこだって思ってる自分がいるんですよ」

 ――それだけ悔しい思いを残したシーズンだったということなんじゃないの?

 「んんん……、そうかもしれないですね」

 ――まあ、そうしんみりしないで(笑)。ところで、来年のヤマハは中野真矢に芳賀紀行という2人の日本人選手が500ccに加わる。その心境は?

 「ビアッジがヤマハに来た時、ロッシが500に上がった時も、同じような質問ばかりだった。で、いつも言っていることだけど、だれが500に来ようとも、特別な思いはないですね。それは今回も同じです。最初からいきなりトップに行くことはないし、あまり意識はしてないですね」

 ――そういえば、風邪で苦しんでいたけど、少しは良くなっている?

 「日に日に良くなってますね。まだ、朝はせきが出るけど、ここに来てからどんどん良くなっていますね。空気も気候もいいし」

 ――って、ノリ、いま、どこにいるの?

 「インドネシアのバリ島に来てます」

 ――バリ島? どうりで電話も遠いし、それにレースが終わって、すぐにいなくなったと思ったよ。結果が悪くて、どっかに逃げちゃったのかと思ってたけど……。

 「それもあります、な〜んて、冗談ですよ。今週、インドネシアでヤマハのイベントがあって、それに出席するために来ているんですけどね。本当は、優勝して、最高の気分でバリ島でノンビリしようと思っていたんですけどね」

 ――まあ、来年はそうなるように頑張ろうね。バリ島にあやかって、バリバリ勝たないとね。

 「やっぱり、言うと思いましたよ(笑)」

■2000年11月1日掲載