第5戦イタリアGP編
愛犬とリラックス。次戦必勝を誓うノリック(カメラ=遠藤智)
愛犬とリラックス。次戦必勝を誓うノリック(カメラ=遠藤智)
 雨の中断で2ヒート制になった第5戦イタリアGPでノリックが素晴らしい走りを展開。次第に激しさを増す雨の中でじりじりと上昇、ついにはトップを快走した。ラスト4周で転倒し、あと1歩に迫った今季初勝利を逃したが、予選11番手と今季ワーストグリッドからの強烈なパフォーマンスに、依然好調――を証明した。
 すごいレースになったなあ、というのが今回のレースの感想。朝、起きた時に、ああ、これは雨になるなと思ったけど、まさかこんなことになるとは思いもしなかった。

 125はスタートが何度もやり直しになるし、250はウエット。500はドライで始まり、結局は雨で中断して再スタート。その雨のレースでこれまでの経験の中でも最高のバイクセッティングでペースを上げることができたんだ。

 振り返ればもう少しレースの状況をしっかりつかんでいれば違う作戦もあったと思う。前に出てからは少しは楽になったけど、だれかの後ろを走っているときは、水しぶきでブレーキングポイントも分からないし、ピット前を通過するときも、サインボードが一瞬しか見えない。転んだ時は自分のポジションもタイム差も何となく分かっているというだけ。本当はどうなんだろうって感じだった。だからバルセロナに帰ってテレビを見て、へぇ〜〜、そうだったのか、と思うことがいっぱいだった。

 確かに転ぶ何周か前から、雨の降り方が激しくなっていた。転んだS字にできていた川がひどくなっていることも分かっていたけど、ここでちょっとペースを上げれば優勝できるかなと思った。あとで振り返ればバロスが思ったよりペースを落としていたし、あのままのペースでも、もしかすると勝てたんじゃないかな。

 転んだときは、ああ、やってもうたあって感じだった。もう大慌てでバイクに駆け寄ってみたら、リアブレーキが壊れているだけで、なんとか走れそうだった。それで再スタートしたけど、それでも転ぶ前よりも2秒落ちの2分15秒台で走っていたし9位でフィニッシュできた。

 それだけ乗れていた証拠。残念だけど、やるだけやったし後悔はない、というのが素直な思いです。
 
 南アフリカ〜スペイン、フランスはスタートで出遅れてトップは走れなかったけど、レースを追うごとにトップを走る周回が増えているし、確実に優勝に近づいていると自分でも感じている。ドライでもウエットでもどっちでもオッケイ。

 とにかく自分の走りをすれば結果がついてくるはず。逃がした魚は大きかった、というよりも、確実に優勝という魚を追い詰めているなという手ごたえがある。

 とは言っても、反省点はいくつもある。まず、最後の予選でタイムを出さなくてはと、力みすぎてしまう悪いくせが出てしまったこと。それで初日5番手から2日目に11番手にダウン。何で力んでしまったかという原因は分かっているし、次からは気をつけなくては。決勝では転んでしまったあの場所だけは危ないと分かっていたのに、ということ。冷静に考えればどれもこれも克服できることなんで、次のレースではそれを生かしたい。

 来週は僕にとって第2ホームグランプリのカタロニア。移動もないし、レースまでノンビリできる。もうバルセロナの海は夏真っ盛りなんだよ。愛犬のボニーも散歩に出せるようになったし、ひたすらリラックス。カタロニアは昨年2位になった。もう今年は優勝しかないと思っている。

■2001年6月9日掲載