第15戦マレーシアGP編
苦手マレーシアでつきもなく13位に終わったノリック。最終戦へ心機一転を誓った(カメラ=遠藤智)
苦手マレーシアでつきもなく13位に終わったノリック。最終戦へ心機一転を誓った(カメラ=遠藤智)
 終盤の連戦で一気の巻き返しを狙ったノリックだが、厳しい結果に険しい表情だ。3連戦の初戦パシフィックGPこそ4位と健闘ものの以後2戦は散々。オーストラリアGPは転倒で13位。続くマレーシアでも転倒、無念の13位に終わった。マレーシアはノリックがもっとも相性が悪いとするサーキットで今季の流れを象徴するような展開にがっくり。が、最終戦ブラジルでは――。心機一転を誓った。

 前回の全開トークでも書いたけど、マレーシアは本当にツキがない。まともに走り切ったことがないし記憶に残るレースがない。今年も何かあるんじゃないかと思っていたら、まさかあの状況で転倒が待ち受けているとは……。

 予選は10番手。スタートはまずまずで1周目は8番手につけた。2周目にはジャックを抜いて7番手。3周目には僕の前でビアッジとロバーツが接触して転倒し一気に5番手。前を走るのはカピロッシ、マッコイ、ロッシ、バロスの4人。ペースの上がらないバロスを7周目に抜いて4番手。前ではカピロッシとマッコイ、ロッシの3人が抜いたり抜かれたりという状態だった。

 そのうちカピロッシが少しずつ落ちてきて、11周目にパス。3番手に上がって気合も乗ってきた。と同時にロッシがマッコイを抜いてややペースアップ。マッコイもそれにつられてややペースを上げる。ついていこうとしたら、バックストレートでカピロッシにかわされてしまった。

 僕も目いっぱいのブレーキだったしカピロッシもかなり無理をしていた。当然止まりきれずややオーバーラン。このままカピロッシに前を行かれたら前の2人においていかれると思い、すかさずインを突いた。ところがあっという間にフロントからスリップダウン。コーナーでバイクを倒し込んだと同時に転んだ。

 完全にオーバースピード。またしてもやってもうたあ、という感じだった。バイクを起こして再スタートしたが、左のステップが半分削れていて乗りにくい。それに前にも後ろにもだれも見えなくてきっとビリだと思っていた。ところが21周のレースを終えてピットに戻ったら後ろに2台。ビックリした。

 ツキがないとしみじみ感じた。転倒は確かに自分のミス。ちょっとした焦りがああいう結果を招いたのだが、何でこうなるのかと情けなかった。というか今年はずっとこんな調子。オランダではチェカに追突されてけが。ポルトガルではPPが取れるかもと思ったら転倒。イタリアでも優勝できると思っていたら雨が激しくなって転んでしまった。思い出すと切りがないほど、今年はほんと運がない。

 今年は自分のレースができたといえるものがほとんどない。けがをしているとき以外はほとんど表彰台圏内を走っているのに、なぜか結果につながらない。スペインの2位も決して納得のレースじゃなかったし、そんなことを繰り返しているうちに、あっという間に最終戦。悔しいけど、それ以上にいつも頑張ってくれているスタッフはもっと悔しいはず。それだけに、今年最後のブラジルGPではなんとしても優勝しなければと思っている。ブラジルは、僕がグランプリに参戦して初めて表彰台に立ったサーキットだし優勝もしている。マレーシアとは対照的に、僕にとってはもっとも相性のいいサーキット。だから何としても結果に結び付けたい。

 今回はヨーロッパを経由してブラジルへ向かう。週末には日本を出発する予定。泣いても笑っても最後のレース。絶対に優勝するぞ! 今はもう、それだけを考えている」

■2001年10月26日掲載