現在モナコ在住…琢磨と近所
元WGP王者・原田哲也氏と対談編(2)
 長野「ヨーロッパのCMに出演したり、日本人ライダーとして最も知名度が高く、成功したライダーと言われています」

 原田「欧州ではレースの認知度が違うというのはありますね。勝者をたたえるのはもちろんだけど、転倒して立ち上がった時の励ましの歓声もすごい。そういった環境でレースができたことを感謝しています。アプリリアの社長はベネチアの奥のお城に住んでいました。社長の名前が住所、パーティーは正装ですし別世界ですね」

 長野「現在はモナコ在住で佐藤琢磨選手と仲がいいんですよね?」

 原田「トンネルの入り口と出口にお互いのマンションがあって、行き来しています。うちの子どもたちと年も同じくらい(4歳と2歳)なので、家族ぐるみの付き合いです。最近自転車を始めたのも琢磨に誘われたからなんです」

 長野「他に、一緒に走ってる方は?」

 原田「ツール・ド・フランスに出ている選手もいるので豪華ですね。イタリアのチャンピオンなんかもいます。僕は始めたばっかりでまだまだですけど」

 長野「琢磨選手とはどんな話をするんですか?」

 原田「4輪はものすごいGがかかるということなどかな。スパ・フランコシャンのオールージュでは上下左右で5、6Gもかかり、ムジェロのストレートでは眼球が動くほどの衝撃だそうです。琢磨も休んでいる間は首が細かったけど、復帰してからは首が太くなった。2輪はGという感覚がないので驚きですね」

 長野「MotoGPに乗りたくなったりしませんか?」

 原田「乗りたくない。現役の時はネガティブなことは考えなかった。自分が転んだりけがをするなんてないと思い込んでいたし、はねのける自信があったけど今はだめですね」

 長野「ロッシはインディアナポリスで何度も転倒していましたね」

 原田「焦りもあるのかなと思いますね。ロレンソが速くなった。彼はハートが強いなと思います。いつの時代も世代交代はやってくる。でもロッシはまだまだ行くと思いますよ」

 長野「来季はドゥカティですね」

 原田「イタリア人の夢ですからね。楽しみです」

 長野「後進の指導を考えたりすることは?」

 原田「僕には向いてないですね。なんでできないんだぁって怒ってしまいそう(笑)」

 長野「今でも原田さんの引退を惜しむ声が聞こえますが」

 原田「僕は一番じゃないと嫌なので、勝てる体制で走れないのなら引退しようと思っていた。五体満足でやめることができたので良かったと思っています」

 長野「02年最終戦バレンシアの引退会見は印象的でした」

 原田「木曜日にやめようって決めて土曜日に会見。急だったのにヤマハ、ホンダ、アプリリアのトップが来てくれた。3メーカーのトップがそろうなんて有り得ないと驚かれました。本当にたくさんの人が来てくれて感謝しています。ただ心残りがあるとすれば日本のファンの前で引退のあいさつをしていないことかな」

 長野「でも、ファンの中ではいつまでも原田さんが生きていますから」

 原田「今日は久しぶりにゆっくり話ができて楽しかったです」

 長野「こちらこそ、ありがとうございました」