藤原、激しいタイトル争いを演じるも、ランキング3位
■ 2014年 アジアロードレース選手権 第6戦 カタール大会
■ スーパースポーツ 600cc
■ 開催日:2014年12月13日(土)
■ サーキット名:ロサイル・サーキット(5.380 km)

 藤原は、2011年からアジアロードレース選手権に参戦を開始して以来、毎年最終戦をここカタール・ロサイルサーキットで戦ってきた。
 
 2011年は、第5戦中国でチャンピオン獲得を決め、余裕を持って望んだが、2012年は清成(ホンダ)との熾烈な争いの末、僅差でタイトルを逃した。そして2013年、カマルザマン(ホンダ)と前年を髣髴させる激しい争いの末、苦汁を飲んだ。
 
 そして4年目の2014年、前半戦は第1戦セパンで2連勝を飾ったババ(ホンダ)に先行されたが、鈴鹿、オートポリスで2勝を挙げた藤原はランキングトップを奪取、チャンピオン争いの最有力候補となった。タイトル争いにおいて重要な位置づけになったタイでは、藤原がセットアップに苦しんだ一方、勢いに乗る伊藤(ヤマハ)が2連勝を飾り、藤原へ7点差まで肉薄してきた。
 
 ランキング上位6名までがチャンピオンになれる可能性がある状況は近年にない接戦だが、事実上藤原と伊藤の一騎打ちと言ってよいだろう。

 3回のフリー走行で様々なサスペンションセッティングにトライした藤原は、予選でも更なる可能性を求めてフリー走行とは異なるセッティングで望んだ。予選が開始された20時40分時点での気温は23℃、路面温度もほぼ同じ、他の開催地とは異なるセッティングが求められる。40分間の間に2回のピットインを経て、終了間際にマークしたタイムは2.05.186。
 
 トップタイムは稲垣(ヤマハ)で、2.04.646のレコードタイム。以下、伊藤、ババ、ザィディ(ホンダ)、ユディスティラ(カワサキ)が藤原を上回るタイムを記録、0.5秒以内に6台という結果となり、藤原は2列目6番グリッドから決勝に挑むことになった。

 いよいよ今年最後のレースデイを迎えた。前日はホームストレート上に吹いていた向かい風も今日は弱い追い風に変わっていた。
 
 陽が沈み、照明が点灯されると、コース上は昼間とさほど変わらない。映像に映し出されるマシンは照明によって輝きを放っていた。
 
 18時17分、15周の戦いの火蓋は切って落とされた。2番手グリッドの伊藤がホールショット、以下稲垣、ザィディ、ババ、ユディスティラ、藤原と順当に1コーナーに進入するが、混戦に翻弄された藤原は1周目を11番手で終える。藤原は4周目にファステストラップとなる2.04.796をマークし追撃する。その藤原の前ではドッグファイトが展開され、毎周順位が入れ替わる激しいレースになった。1周目から3周目にかけてはババと伊藤が、3周目から7周目まではユディスティラ、稲垣、ババがトップ争いを展開、8周目になるとウイライロー(ホンダ)がそのバトルに加わってくる。藤原も8周目には11台で構成されるトップ集団の7番手まで順位を回復するが、拮抗した争いの中で順位を上げていくたびにタイヤは消耗していった。終盤以降、グリップを失ったタイヤをコントロールすることに集中せざるをえなくなった藤原は、徐々に順位下げる結果となり、12位でフィニッシュした。
 
 優勝はババ。以下、ザィディ、ユディスティラが表彰台を獲得、ポイントスタンディングでは藤原が152点で首位をキープしたものの、2位伊藤との点差が3点に、3位ザィディとの差は7点まで接近した。4番手のババとの差は17点なので、チャンピオン争いは事実上3人に絞られた。

 2014年シーズン最後のレースは22時を過ぎてからのスタートに設定されていた。気温は22℃、路面もほぼ同じ温度まで低下していた。
 
 レッドシグナルが消灯、レース1同様伊藤が好スタートを決め、稲垣、ザィディ、ババ、ユディスティラ、藤原が続く。序盤、伊藤、稲垣、ザィディ、ババがハイペースの中でトップ争いを展開、ユディスティラ、藤原、玉田らを徐々に引き離していく。ユディスティラ以下のセカンドグループは7台による接近戦が繰り広げられ、藤原はその渦中に含まれていた。中盤に差し掛かったころ、藤原の身体に異変が起きつつあった。未だかつて経験したことがない痛みが藤原の右腕を襲ったのだ。思うようにスロットルを操作できないもどかしさと、徐々に順位を落とさざるを得ない苦しさと戦いながらも、藤原は己と戦い続けチェッカーを目指した。
 
 一方、トップ争いは終盤になって首位に立った伊藤に再三仕掛けていたババが最終ラップでやや強引に仕掛けた結果、伊藤を押し出すような形ではらみ、その間隙をついたザィディがトップ奪取、ザィディ、伊藤、ババの順でチェッカーを受け、ザィディが大逆転でチャンピオンを獲得した。
 
 シリーズランキングは伊藤が2位、藤原は腕の痛みに耐えながらも14位でフィニッシュ、ランキング3位で2014年シーズンを終えた。

 なお、UB130クラスでは、グピタ・クレシュナ(カワサキ)が2010年以来のチャンピオンをカワサキにもたらした。(KAWASAKI)