09年マシンに関する特性及び可能性に関する考察
F1開幕特別ゼミ 10時間目
「Williams FW31」 (Williams提供)
「Williams FW31」 (Williams提供)
 FW31のエア・インダクション・ボックスは、側面にも小さな空気取り入れ口がある。これは油圧系統の冷却用で、信頼性に影響を及ぼす冷却を重視していることがうかがえる。

 FW31の最大の特長の一つがディフューザーだ。トヨタTF109同様、レギュレーションの条文の細部をついてきたもので、これもFIA(国際自動車連盟)が合法と判断した。ただし、トヨタのものとは異なり、中央部分が高い2段構造になっている。これでディフューザーの容積が増えて、車体の底の気流をより引き抜くことで、ダウンフォースが増すことが見込まれる。

 KERS(カーズ=運動エネルギー回生システム)は、独自のシステムを開発している。通常のKERSは、市販車のハイブリッドと同じしくみで、減速時の車体が前に進もうとするエネルギーを電気としてバッテリーにためて、その電力でモーターを動かしている。一方、ウィリアムズのものは、詳細は未発表だが、フライホイール(はずみ車)を使用したものだという。減速時に車体が前に進もうとするエネルギーを、フライホイールを回転させることでためるのだが、このフライホイールには発電装置としての機能も備えられていて、加速するときにはフライホイールの回転から生まれた電力でモーターを動かしてパワーアシストにする。これはバッテリーを搭載しないため、システム全体のサイズも重量も小さくでき、重量配分では有利になるとされている。だが、まだ開発に時間が必要なようで、実戦投入の次期は未定とのこと。(小倉茂徳)

 次回ゼミは3月30日(月)の予定