09年マシンに関する特性及び可能性に関する考察
F1開幕特別ゼミ 12時間目
「BMW SAUBER F1.09」(c)BMW AG
「BMW SAUBER F1.09」(c)BMW AG
 F1.09のサイドポンツーンは、外側の角が内側よりも高くなっていて、前から見ると上面が外側に向かって斜めに上がる形になっている。こうすることで、気流を車体側面にこぼさずに車体後方に導くようにしていることがうかがえる。サイドポンツーン後端はとても低くされ、そこに上面からの気流を導くことで、ディフューザー下面から抜ける気流に勢いを与えて、車体底面でダウンフォースを発生する効果を高める形にされている。

 サイドポンツーン側面のフロアとの境には、小さなルーバーがあけられている。これは、KERSの冷却用と推測できる。BMWは独自の電気式KERSを採用しているが、この電気式の場合、大量の電力を短時間で充・放電をすることになる。するとバッテリーが熱をもつが、過熱してしまうとバッテリーの性能が著しく低下してしまう。そのために冷却を重視した設計が求められる。しかし、冷却のために空気を車体の中に導く事は、空気抵抗の増加というデメリットもつきまとう。バッテリーを利用したKERSは、バッテリーの重量と冷却のための空気抵抗という二つの技術的課題をエンジニアたちにつきつけている。それでもBMWは、KERSの導入によって市販車の高性能・高効率ハイブリッド技術を確立したいとしている。そのため、KERSの早い段階での実戦導入を表明していたのだが、ここへきて導入時期に関する発言が曇りがちだ。技術的な困難に直面しているのかもしれない。(小倉茂徳)

 次回ゼミは4月2日(木)の予定