09年マシンに関する特性及び可能性に関する考察
F1開幕特別ゼミ 13時間目
「Red Bull RB5」(レッドブルF1チーム提供)
「Red Bull RB5」(レッドブルF1チーム提供)
 RB5は、レッドブルの技術開発部門であるレッドブル・テクノロジー社でエイドリアン・ニューウェイCTO(技術担当最高責任者)とレッドブル・チームのテクニカル・ディレクターのジェフ・ウィリスを中心に設計開発された。出来上がった、RB5は空力と流体力学の大家のコンビによるマシンらしいもので、空力性能と構造が細部までつきつめられていた。

 RB5のフロント・ウイングは、マクラーレンやBMWザウバーと同様の2エレメントのフラップを備えている。ただし、RB5ではメーンプレーン(主翼)と1枚目(前のほう)のフラップが、翼端板と接する翼端部分で一体にされている。これは、飛行機の翼が胴体と接する部分だけ前後に長くなっている「フィレット」と同じで、翼端板と接合する部分の翼を前後に伸ばすことで、気流をより整えて、翼の効果をあげて、空気抵抗を少なくするためのしくみだ。

 RB5のフロント・サスペンションは、アッパーアームとタイヤの向きを変えるステアリング・タイロッドを一体にせず、ステアリング・タイロッドをやや低い位置に独立してとりつけている。これは、98年のマクラーレンMP4−13と同様なやりかただ。MP4−13のとき、こうすることで、サスペンション・ジオメトリーと構造強度に関する利点があるとされていた。気流中にステアリング・タイロッドが露出してしまうが、この位置なら構造的に細くできることで、空力上のマイナスを小さくしている。(小倉茂徳)

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