09年マシンに関する特性及び可能性に関する考察
F1開幕特別ゼミ 14時間目
「Red Bull RB5」(レッドブルF1チーム提供)
「Red Bull RB5」(レッドブルF1チーム提供)
 RB5のフロント・サスペンションはさらに突き詰めた設計をしている。ノーズの上に二つのふくらみをつけることで、プッシュロッドをより立った形に配置にしている。プッシュロッドはタイヤの上下(車体の横傾き)の動きをスプリングに伝えるための棒で、大きな力がかかる。このプッシュロッドは斜めに配置されるが、その角度が浅いほど、プッシュロッドに上下に曲げようとする力がかかることになる。これに耐えてじょうぶにするには、プッシュロッドは重くなるか太くなって気流を乱しやすくなる。だが、RB5はプッシュロッドを強い傾斜で配置することで、タイヤの上下による力をロッドの軸の方向への力として受けやすくなり、曲げようとする力が少なくなる。結果、より細くても必要な剛性が得やすくなり、乱流と空気抵抗も減らせる。

 リア・サスペンションは、プルロッド式にしている。プルロッドは、タイヤの上下(車体の横傾き)の動きを、ロッド(棒)を引っ張るかたちでスプリングに伝えている。棒は、押されるよりも引っ張られるほうが強度を出しやすい特徴があり、プルロッドは同じ強度ならプッシュロッドよりも細くできる。これで、乱流と空気抵抗の発生を極力抑えられる。コーナリング時に外側のタイヤがつくサスペンション・アームには、車体の遠心力と、プルロッドによるタイヤを車体側へ引っ張ろうとする力で、大きな「曲げ」の力がかかる。RB5リアのアームは強化されているはずだ。(小倉茂徳)

 第15回講義へ続く→