ダブルデッカー型でダウンフォースさらに増大
公開講座第2回
 【質問】何かと話題になったディフューザーですが、具体的にはどんな役割をしているんですか?

 【答え】今シーズン序盤、ブラウンGP、ウィリアムズ、トヨタのディフューザーをめぐって論争になりましたね。これらはダブルデッカーと呼ばれ、気流の通路が上下に2段か3段の構成となったものでした。4月14日のICA(国際控訴裁判所)でこれらが合法と最終判断されると、他チームもこれに移行しました。

 ディフューザーは拡散装置という意味で、車体の底と路面との間を流れる気流を、車体の後ろで拡散させる装置です。ここで気流を拡散させると、ディフューザー直前の車体の底では、気流の速度が上がり、気圧が下がります。車体には上から大気圧がかかっているので、気圧が下がった車体の底と路面との間では互いに吸い寄せ合うような効果が生まれ、これがダウンフォースとなります。

 しかも、ウイングでダウンフォースを得るよりも、この車体の底を利用した方が、空気抵抗の発生量がはるかに少なく、効率が良いのです。そこで、車体の底での空力性能を大きく左右するディフューザーは極めて重要なのです。今年はウイング類への規制が厳しくなり、なおさら重要になりました。

 今回のダブルデッカー型は、より多くの空気を拡散させて、より多くのダウンフォースが得られるはずです。ただし、車体の底でのダウンフォース増大には、ディフューザーを換えるだけではなく、フロント・ウイングからサイドポンツーン周辺、車体後部など、車体全体の空気の流れで考える必要があるのです。(モータースポーツ・ジャーナリスト)

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