80馬力を6秒間追加
公開講座第3回
 【質問】今シーズンから導入されたKERSって、どんなものなのですか?

 【答え】KERSは、キネティック・エナジー・リカバリー・システムの頭文字をつなげたもので、日本語にすると運動エネルギー回生システムとなります。これは減速するときに車体が前に進もうとする運動エネルギーを蓄えて、それを加速するときに再利用しようとするものです。こうすることで、ブレーキで熱として放散されていたエネルギーの有効利用になるというのです。

 今年のルールでは、1周につき400キロ・ジュールまで利用でき、その最大出力は60キロ・ワットとされています。これを一般的な単位であらわすと、約80馬力のパワーを6秒間ほど追加できるということになります。

 KERSは、おもにコーナーからストレートに出たところでの立ち上がり加速や、ストレート上で加速に利用されています。そのパワー増加効果によって、追い抜きをするときの加速や、追い抜きを阻止するための加速だけでなく、予選でのラップ・タイム向上にも利用されています。

 現在F1でKERSを実戦投入しているのは、マクラーレン、フェラーリ、ルノー、BMWザウバーで、いずれも電気式となっています。これは、後車軸からとりだした車体の運動エネルギーでモーターを回して発電し、その電力をバッテリーに蓄えます。そして、加速時にはその電力でモーターを回して、その出力を後車軸に伝えることでパワー・アシストにしています。(モータースポーツ・ジャーナリスト)

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