公開講座第4回
 【質問】KERS(運動エネルギー回生システム=カーズ)とはどんな仕組みなのですか?

 【答え】現在F1で使われている電気式のKERSは、電気を蓄えるバッテリーが必要で、エネルギー充填効率が高いリチウム・イオンを利用しています。マクラーレンはKERSの重量を25kgと言いますが、これがどこまで含めたものかわからないところです。他のチームのものも30kg前後という説もあります。

 このバッテリーは充・放電を繰り返すことで熱を発生し、それを冷やさないと効率が落ちます。冷却のための空気を入れる小さなダクトを設けていますが、車体の中に空気を通すと空気抵抗も増加するはずです。

 一方、小型のフライホイール(はずみ車=コマのようなもの)を車体の運動エネルギーで高速回転させ、その回転力を加速のエネルギーにする方法も考えられています。これは、バッテリーがないぶん軽く、空気抵抗が少なくなる可能性もあります。

 まだ実戦投入はされていませんが、ジャガーが市販車への利用も計画しています。ウィリアムズと、フェラーリとルノーのKERSを担当する電装品メーカーのマニエッティマレリは、それぞれフライホイールで電気を蓄える方式を開発中です。

 これは、フライホイールに電磁石のような装置をつけて、これを回転させることで電力を取り出すというものです。フライホイール式のKERSは、高速回転するフライホイールが発生する力によって車体の運動性能に影響を及ぼすことも懸念されます。

 電気、機械ともKERSはそれぞれに一長一短があるのです。(モータースポーツ・ジャーナリスト)

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