自らの「書き初め」に笑顔のノリック=東京都港区の東京中日スポーツで(カメラ=渡辺利博)
自らの「書き初め」に笑顔のノリック=東京都港区の東京中日スポーツで(カメラ=渡辺利博)
「自分を信じれば結果はついてくる」

 WGP8年目を迎えるノリックこと阿部典史が3日、東京・港区のトーチュウ本社を訪れ、新年の誓いを「書き初め」。誓いの言葉は「己に克ち敵を制す」。4ストロークGPマシン参入でWGP500ccは名称も新たに「MotoGP」元年を迎えるが、2ストローク500ccマシンで天下を取る意気込み。これまでスカイダイビング、ロッククライミングなど正月恒例の“冒険シリーズ”に挑戦してくれたノリックだが、今年は初心に帰って紋付き袴姿で決めてくれた。
今季の誓いを力強く筆に託すノリック=東京都港区の東京中日スポーツで(カメラ=渡辺利博)
今季の誓いを力強く筆に託すノリック=東京都港区の東京中日スポーツで(カメラ=渡辺利博)
 紙吹雪舞う中で、ノリックが会心の笑みを浮かべた。右手に持つのは書き初めにしたためた新春の誓い。2002年への思いは「己に克ち 敵を制す」というもの。

 「ただでさえ字が下手なのに、まして僕の習字なんてお披露目するようなものじゃないけど、心を込めて一字一句、書いてみました」と、年頭の抱負を真っ白な紙にしたためた。

 今年はGPフル参戦8年目のシーズン。「まだ若いのに、もうすっかりベテランですね」と苦笑い。26歳にして追う立場はとっくに卒業、追われる立場だ。500ccクラスではA・バロス、A・クリヴィーレに次ぐ3番目のキャリアの持ち主。求められるのは結果だ。そのプレッシャーの中で新しい年を迎えることになった。

 しかしノリックに焦りはない。ある悟りにたどり着いたのだ。「戦っている相手は世界のトップライダー。相手に勝つ前に、まず自分に勝てなければどうしようもない。今年は私生活でも自分を厳しい環境に置き、自分に負けないようにしたい」とキッパリ。

 その手始めがこの日の書き初めというわけだ。「これまでなら恥ずかしくてできなかったけど、そういったこともひとつひとつ乗り越えていく」。マシンを降りても自分との闘いに身を置くことを決意。「力を出し切れば結果はついてくる。自分を信じることから始めたい」と心機一転なのだ。

 500ccにはワークスが全力を注ぐ4ストロークGPマシンが参入。名称もMotoGPとなって戦いは一段と厳しくなる。日本人勢だけを見てもノリックと同じヤマハ勢には中野真矢、ホンダ勢からは宇川徹を筆頭に250cc王者の加藤大治郎、そして原田哲也と勢ぞろい。生き残ることはそのままタイトル争いを意味する。

 まさに正念場。元旦に引いたおみくじは何と“凶”。「10年以上同じ神社だけど初めての凶だった」というが、同時に「でも何となくこれまでにない年になりそう」と闘志満々。「“逆凶”のシーズンにしますよ」と意気込む。

 昨年のけがの影響でトレーニング開始は来週からと少々出遅れ。「それも試練。でも焦らない」とノリック。今月中旬から始まるスペインテストに目を据えている。(遠藤智)