総合2番手の週回数をこなしたデフリースに、トスト代表も満足そう。
総合2番手の週回数をこなしたデフリースに、トスト代表も満足そう。
 先週行われたプレシーズンテストの終盤、「レッドブル、アルファタウリの売却か」という衝撃的な報道がバーレーンサーキットを駆け巡りました。昨シーズン選手権9位と低迷したことへの不満から、レッドブルが完全売却を視野に入れているという内容でした。

 すると週が明けてすぐアルファタウリが声明を出し、「根拠のない噂だ」と、完全否定。フランツ・トスト代表がレッドブル首脳陣とミーティングをして、「今後もレッドブルが全面サポートを続ける」ことを確認したということです。

 ただ開幕直前の忙しい時期にわざわざ話し合いを行ったのが事実だとすれば、レッドブル陣営が実際に売却を考えていたという裏読みも可能です。昨年も更迭の噂が出ていたトスト代表には、今季は成績向上の強いプレッシャーがかかっていることは間違いないでしょう。

 そんなトスト代表は、新加入の「28歳の新人」ニック・デフリースへの高い期待を隠していません。昨シーズン終了後のアブダビテスト後には、「走行後に多くのアイデアを提案してくれた」「エンジニアたちの目を覚まさせてくれた」と、手放しで称賛していました。

 先週の3日間のバーレーンテストでも、3日間で246周を周回して、フェルナンド・アロンソに次ぐ全20人中総合2番手の走行距離を稼いだことに対し、「本当にいい仕事をしてくれた」と満足げでした。一方で角田裕毅も周回数はデフリースより36周少ないものの、総合8番手。何より一発の速さでは、フェラーリ2台に次ぐ6番手につけています(デフリースは14番手)。

 にもかかわらずトスト代表の角田へのコメントは、比較的辛口です。「速さは十分にあるが、一貫性に欠ける」「感情をあらわにする癖が、改められることを願っている」。二人に対するトスト発言を比べると、どちらが新人かわからないほどです。とはいえ角田はまだ22歳(5月で23歳)。6歳年長で落ち着いた性格のデフリースに、トスト代表が期待したくなる気持ちもわかります。
角田は今季のマシンに手応えを感じているようでした。3年目の飛躍に期待です!
角田は今季のマシンに手応えを感じているようでした。3年目の飛躍に期待です!
 では今季のアルファタウリ、そして角田・デフリースコンビは、どこまでやれそうでしょうか。
 バーレーンでの開幕直前テストでは、上述したように一発の速さ、信頼性ともにある程度のレベルにはあるようです。角田もテスト後、「去年のマシンはダウンフォースが足りなくてかなり苦労したが、新車はそこが大きく改善されている」と、好感触でした。
 去年のアルファタウリの不振は、ダウンフォース不足で特に一発の速さに欠けていたことが一番の理由でした。そのためガスリー、角田裕毅ともに予選でなかなか上位に行けず、かといってロングランペースも特段いいわけではなく、入賞までわずかに届かずノーポイントに終わるレースが繰り返されました。
 具体的には全22戦中、11位、あるいは12位で終わったレースが、二人合わせて8回もあります。あと少しの速さが足りず、ポイントを失ったレースが8回あったということです。今季のマシンが角田の言う通りダウンフォースがしっかり出せているとしたら、Q3に行くチャンスも増え、入賞機会も去年より増えるでしょう。もちろん中団勢の戦いは今年も僅差でしょうが、少なくとも去年よりもタイム差は接近するはずです。
 一方で少し気になるのは、デフリースが「マシンの感触は、去年型とあまり変わっていない」と、角田とは対照的なコメントしていることです。
 F1で2年間戦ってきた角田と、フォーミュラEやWECなど多くのレーシングカーを走らせた経験のあるデフリースと、どちらのフィードバックが結果的に正しいのか。今週末の開幕戦バーレーンGPでは、その辺りにも注目です。