静かで滑らかな走りが魅力的なMX−30 ロータリーEV(大谷達也撮影)
静かで滑らかな走りが魅力的なMX−30 ロータリーEV(大谷達也撮影)
 マツダがロータリーエンジン(RE)で発電する電動車「MX−30 ロータリーEV」を、11月に発売しました。RE搭載車が世に出るのは、実に11年ぶりなことが話題になっています。

 マツダ初のRE搭載車「コスモスポーツ」の発売が1967年でした。その後、61年から技術提携したドイツのNSU社(現在のアウディを構成する自動車メーカーの一つ)が、技術的な困難からわずか2モデルでREを諦めたのとは対照的に、50年以上にわたって生産を続けました。

 そんなマツダにも、どうしても克服できないREの弱点があります。燃費が悪く、二酸化炭素(CO2)排出量が多いこと。2012年に生産が打ち切られたのも、これが原因でした。

 そこでロータリーEVは、排気量830ccのREで車輪を駆動せず、発電機を動かして電力を発生。その電力でモーターを動かすシリーズハイブリッド方式にして、燃費の改善に努めました。加えて容量17・8キロワットのバッテリーを積み、最長107キロのEV走行が可能なプラグインハイブリッド車(PHEV)としました。モーターのみで走るEV走行なら、走行時にCO2を出さないので環境問題もクリアできます。

 普段の買い物や通勤ではEV、週末は長距離走行が可能なハイブリッド車として使えるロータリーEVを、「長距離も不安なく走れるEV」とマツダは表現しています。

100キロ以上走行可能

 実はハイブリッド時の燃費は15・4キロメートル/リットルで、決して良好ではありません。それでも全長4・4メートルのコンパクトサイズで、100キロ以上のEV走行が可能なPHEVは世界中を見渡しても皆無。マツダの中井英二執行役員は「コンパクトなREでなければ、このレイアウトは実現できなかった」と説明してくれました。REを復活させる意義は、ここにあったと言えます。

 実際に試乗しても、ハイブリッド走行時に、エンジンがかかったことがほとんど分からないスムーズさに驚かされました。これもREのメリットでしょう。価格は478万5000円からです。

 マツダはMX−30 ロータリーEVでREの復活を図り、将来的には大排気量RE車の投入を目指しているようです。REファンには、今後が楽しみなところです。 (自動車ライター)