全日本ロードレース選手権第3戦オートポリス(9月19日、20日)に、今季から始まったST1000クラスにスポット参戦したライダーを紹介していますが、最後は松崎克哉です。チームは「team能塚&mcsMATSUZAKI」から参戦しました。

 チーム能塚は、福岡県久留米市にあるバイクショップ「能塚モータース」が拠点のチームです。「1965年に創業以来、頑固にKAWASAKI車をメインに販売、メンテナンスを行い、KAWASAKIについては、誰にも負けないと自負している店です」とHPに書かれているように、カワサキ愛に溢れたショップで、レース活動も盛んです。ここを拠点にレースを始め、全日本ロードレース参戦までこぎつけたライダーは多く、その一人が松崎です。

 松崎は2014年九州選手権ST600チャンピオンとなり、翌年ランク2位。2016年から全日本ロードレース参戦を開始して、ST600ランキング5位へと浮上します。松崎が参戦したRS−ITOHには、和田留佳、清水尚樹、松崎克哉ら、九州出身の若手ライダーが参戦していました。そして、ライダー育成を考え、チームグリーン入りの候補ライダーたちだと注目されていたのです。

 この年は、大逆転の末、榎戸育寛がチャンピオンに輝きました。2位にはタイ人ライダーのチャランポン・ポラマイ、3位に名越哲平、4位岩戸亮介、5位前田恵助、そして5位に松崎が食い込み、若い才能がひしめいていました。そして2017年、松崎は大抜擢でチームグリーン入りを果たします。それも最高峰クラスJSB1000参戦です。
 デビューイヤーはランキング14位に入り 翌2018年、全日本ロードレース第3戦オートポリスで、ともにチームグリーン入りを果たした渡辺一馬が初優勝、松?も2位初表彰台を獲得しました。フリー走行、予選と快晴に恵まれたオートポリスでしたが、決勝日は朝から霧と雨に見舞われ、朝のウォームアップは中止に。決勝前に雨は止み、霧も奇跡的に晴れ、タイヤチョイスが勝敗を分ける展開となりました。

 多くのライダーがレインタイヤを選択していましたが、オートポリスがホームコースであるカワサキは、独自の情報網から天気は回復すると読み、渡辺と松崎はスリックタイヤで挑むのです。序盤は下位に沈むも、驚異的な追い上げを見せ、チームグリーンによるワンツーフィニッシュを果たしたのです。

 表彰台に上がった松崎は「地元オートポリスということで、本当に多くの方が応援してくださいましたし、すごく力になりました。レース中も至る所で旗を振っ、て応援してくれているのが見えたので、なんとか頑張ることができました。何よりチームに感謝したいです」と初々しい笑顔で、少し、興奮気味に語っていました。
 しかしながら、2018年シーズンランキングは19位と、思うような結果を残すことができませんでした。そして、2019年はチームグリーンの体制が一身され、松崎は川崎重工グループのK−TEC株式会社で、テストライダーとしてのスタートを切っていました。

 今年、ようやくレースに戻ってこれた松崎は「1年間レースから離れましたが、ずっと走りたかった。レースを諦めきれない気持ちがずっとありました。お世話になったチーム能塚さんがサポートしてくれることになり、またサーキットにも戻って来られたことが嬉しい。ライダーとしての自分は、キープしていたつもりです」と言います。
 スポット参戦が決まったのが、ひと月前という慌ただしさでしたが、松崎は地方選に参戦して優勝を飾り、オートポリスにやってきました。久しぶりの全日本参戦でしたが、仲間たちに囲まれ、リラックスしているように見せました。

 予選は1分52秒台で9番手。6番手以降が同じ52秒台で、決勝への期待が高まりました。迎えた決勝では健闘を見せ、11位チェッカーでした。

 今後の予定は未定とのことですが、松崎のレースへの情熱は、まだ消えてはいないことが分かり、地元ファンの応援のボルテージは、確実に上がっていました。これからも松崎なりのレースへの関わり方を注目していきたいです。まだまだ、終わるつもりはないはずです。