
赤松孝撮影
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、海外からもテスト中止などのニュースが届いています。そんな不安な中でのオフシーズンですが、来るレース開幕を待つ間に、昨年の全日本ロードレース選手権を振り返りたいと思います。まずはJSB1000の清成龍一の戦いです。

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2020年シーズンは全4ラウンドの短期決戦となり、最高峰クラスJSB1000は各ラウンド2レース開催のトータル8戦が行われました。
第1戦は8月9日、10日、宮城県・スポーツランドSUGOで始まりました。昨年からホンダワークスが姿を消し、変わって注目を集めたのが伊藤真一率いる「Keihin Honda Dream SI Racing」(今季からはケーヒンの社名が日立Astemoに代わり、イメージカラーも青から赤へと変わりました)。10回目のJSB1000タイトルを狙う絶対王者・ヤマハファクトリー中須賀克行に対抗するため、伊藤が指名したライダーが清成龍一でした。
第1戦は8月9日、10日、宮城県・スポーツランドSUGOで始まりました。昨年からホンダワークスが姿を消し、変わって注目を集めたのが伊藤真一率いる「Keihin Honda Dream SI Racing」(今季からはケーヒンの社名が日立Astemoに代わり、イメージカラーも青から赤へと変わりました)。10回目のJSB1000タイトルを狙う絶対王者・ヤマハファクトリー中須賀克行に対抗するため、伊藤が指名したライダーが清成龍一でした。

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清成は、鈴鹿8時間耐久ロードレース選手権を4度制覇し、ブリティッシュスーパーバイク選手権(BSB)で、3度の王座に輝くトップライダーです。2017年に帰国、モリワキから全日本に参戦します。JSB1000はブリジストンタイヤが優勢である中、モリワキは全日本初参入となるピレリタイヤを選択し果敢に挑みますが、苦戦。それでもこの挑戦は、清成にとってはスーパーバイク世界選手権(WSB)への道でした。帰国の理由も、それでした。トライ&エラーの苦しいレースが続きましたが、2018年第9戦・鈴鹿のレース2で、ウェットから路面が乾いていくという微妙なコンデションを果敢に攻めて勝利を飾り、力量の高さを示しました。そして2019年、ついに念願叶ってWSB参戦を開始しますが、ポイントを取ることも難しいという状況。何が起きているのかと関係者を心配させました。清成はもう、戦意を失い、ライダーとしてダメなのではないか、という声も聞かれるほどでした。
それでも伊藤は清成の力を信じ、チームに誘いました。新型コロナウイルスの影響もあり、事前テストもままならない中、シーズンが始まります。テスト不足や市販マシンというハンデがあろうとも、清成の真価が問われた開幕戦もありました。
それでも伊藤は清成の力を信じ、チームに誘いました。新型コロナウイルスの影響もあり、事前テストもままならない中、シーズンが始まります。テスト不足や市販マシンというハンデがあろうとも、清成の真価が問われた開幕戦もありました。

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迎えた開幕戦、8月に入って東北地方も梅雨明けしていましたが、レースウイーク初日となった土曜日の公式予選はウエット路面となり、ヤマハファクトリー野左根航汰がポールポジションを獲得、2番手に中須賀が続き、清成は3番手に食い込みます。
レース1は、ヤマハ勢のトップ争いとなり、中須賀が転倒して野左根が独走状態に。その後方、2番手・清成の背後には水野涼(ホンダ)が付け、バトルとなりますが、清成が制し、2位表彰台を獲得しました。「ホッとしています。まずは結果が欲しかった。満足はしていないが、走り切ることができてデータを残せた」と語りました。清成は終わってなどいないことを証明するレースでした。伊藤監督は「WSBでの結果が信じられない。思っていた通りのポテンシャルの高さだ」と絶賛していました。
レース2は晴天となり、残暑の厳しさの中でスタート。清成はホールショットを奪いレースをリードしますが、トラブルで後退、我慢の走りで4位を獲得。その後も清成はヤマハファクトリーを追い掛け、そこに並び、追い越そうと懸命な走りを貫きました。第4戦もてぎでは4位&3位に入るも、レース2ではレギュレーション認識の違いから失格となりノーポイントに。最終戦・鈴鹿でも4位&2位となり、最終的にはランキング2位を獲得するのです。ホンダが打ち出した新型CBR1000RR−Rの力を引き出し、その可能性を示した走りに、ファンは大きな声援を送り続けました。
レース1は、ヤマハ勢のトップ争いとなり、中須賀が転倒して野左根が独走状態に。その後方、2番手・清成の背後には水野涼(ホンダ)が付け、バトルとなりますが、清成が制し、2位表彰台を獲得しました。「ホッとしています。まずは結果が欲しかった。満足はしていないが、走り切ることができてデータを残せた」と語りました。清成は終わってなどいないことを証明するレースでした。伊藤監督は「WSBでの結果が信じられない。思っていた通りのポテンシャルの高さだ」と絶賛していました。
レース2は晴天となり、残暑の厳しさの中でスタート。清成はホールショットを奪いレースをリードしますが、トラブルで後退、我慢の走りで4位を獲得。その後も清成はヤマハファクトリーを追い掛け、そこに並び、追い越そうと懸命な走りを貫きました。第4戦もてぎでは4位&3位に入るも、レース2ではレギュレーション認識の違いから失格となりノーポイントに。最終戦・鈴鹿でも4位&2位となり、最終的にはランキング2位を獲得するのです。ホンダが打ち出した新型CBR1000RR−Rの力を引き出し、その可能性を示した走りに、ファンは大きな声援を送り続けました。

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今季は「Astemo Honda Dream SI Racing」とチーム名は変りましたが、スタッフなどの変更はなく、伊藤監督の元で「チャンピオンを目指す」と語っています。野佐根はWSBへ、水野はBSBにそれぞれ海外レースへの挑戦を始めます。中須賀は10度目のタイトルを目指し、それを阻止しようと挑む清成との対決色が濃くなりそうです。中須賀も清成も、進化を続けるトップライダーです。世界に通用するふたりの一騎打ちのバトルが、面白くない訳がない。全日本のレベルを引き上げるふたりの戦いに注目です。

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