日本ロードST600クラスのタイトルを2度獲得した岡本裕生
日本ロードST600クラスのタイトルを2度獲得した岡本裕生
 依然として新型コロナウイルスのニュースが多く流れる中ですが、それでも桜の開花の話題も聞こえてきて、確実に春に向かい、モータースポーツの開幕も近づいています。ライダーたちは開幕を信じて、トレーニングを重ねる日々です。

 そんなライダーたちの姿が見たいと、先日、埼玉県川越市にあるオフロードヴィレッジを訪ねました。全日本モトクロスの大会も開催されるコースは、Aコースは6千坪、Bコースは1万坪もの敷地があり、モトクロスのライダーだけでなく、ロードレース参戦のライダーたちもトレーニングに訪れます。

 今回は、全日本ロードレース選手権に参戦する「ウェビックチームノリックヤマハ」の阿部光雄監督が、ヤマハや関係者の応援を受け、ヤマハライダーたちを集めてトレーニングをしていました。また、チームノリックで阿部監督とともにライダーを育ててきたメカニック永安公造さん(今年はニトロレーシング41)も応援に駆けつけていました。

 このコースを管理している福本敏夫・代表は、ホンダのエースナンバー、ゼッケン3を付けて大活躍したモトクロス界のレジェンド。奥様は鈴鹿サーキットのレースクイーン第一号の美女だそう。今では、コース整備に心を砕き、ライダーたちを迎え入れてくれています。

 ホリエモンこと堀江貴文さん主宰「ゼロ高等学院」に通う、現役高校生モトクロスライダー・佐竹涼牙にも会うことができました。自分のことをしっかりと話してくれ、「モトクロスを日本に広げたい」と力強く語り、頼もしい印象。きっとスターライダーになるのだろうなと実感しました。
写真手前は阿部真生騎、奥が横山尚大
写真手前は阿部真生騎、奥が横山尚大
 アジアロードレース選手権(ARRC)に参戦する伊藤勇樹は、昨年の開幕戦、アジアスーパーバイク1000(ASB)で初優勝を飾りましたが、その後のレースはコロナの影響で中止に。その後、全日本ロード最終戦・鈴鹿にスポット参戦し、2位表彰台を獲得して存在感を示しました。今年はまだARRCの開催が決まらずにいます。

 伊藤は「開催に向けて話し合いが続いていますが、なかなか難しい状況。それでも、いつ開幕してもいいようにトレーニングをしています。今回のこのトレーニングは若手ライダーが中心で、自分はもう若手とは言えませんが、参加を許可してくれるヤマハにも、阿部さんにも感謝です」と誰よりも熱心に走り続けていました。

 全日本ロードST600クラスのタイトルを2度も獲得した岡本裕生も参加。岡本は今年から全日本ロードST1000に参戦します。チームノリック出身で、阿部監督が見出したライダー。積極的にトレーニングに参加して調子を上げています。初のST1000クラスですが、阿部監督は「岡本はもともとバランスがいいから、大きなバイクでも大丈夫、乗れるよ」と太鼓判を押しています。
佐竹涼牙と阿部監督
佐竹涼牙と阿部監督
 全日本ロードJGP2で活躍していた豊島怜も今季ST1000に挑戦を開始するなど、若き才能がひしめくクラスになる予感がします。

 チームノリック・阿部恵斗は、全日本ロードST600参戦2年目を迎えます。大治郎カップ出身で、当時から可愛いらしい男の子だった記憶がありますが、成長して、今年は勝負の年に。昨年、ST600参戦初年度は、レース数も限られていたこともあり、本領発揮とはなりませんでしたが、第4戦もてぎではポールポジションを獲得し、実力を示しました。阿部監督は「チームノリックを卒業して、次のステップを踏んでほしい」と語っており、それだけの力を蓄えたということ。恵斗にとって、飛躍のシーズンとなりそうです。

 天才ライダー・阿部典史さんの長男で、阿部監督の孫、阿部真生騎は、まだバイクに乗り始めて4年目ですが、なんと今年の全日本開幕戦、ST600クラスに参戦するという驚異的な成長を見せ、その結果次第で、全日本フル参戦となるかどうか見極めるそうです。

 モトクロスコースでは、佐竹に付いていくガッツを見せていました。それでも「追いつかなかった」と苦笑いしていましたが、追いかける気持ちがライダーを強くするのだと思います。

 筑波選手権開幕戦ST600で2位表彰台に上がった横山尚大も熱心に走行を繰り返していました。今季のタイトル争いに絡む逸材です。
 各ライダー、朝10時から午後4時まで、それぞれに課題を見つけて走る姿は圧巻。負けず嫌いのライダーたちが切磋琢磨して速さを磨いていました。阿部監督は、近くでライディングを見て、気が付いたことがあると、さりげなくアドバイス。チームノリック出身で世界への夢を掴んだ野左根航汰も、こうやって育ったのだなと実感。ライダーである以上はシンプルに、「とにかく走ることが大事だ」と、その場を提供する阿部監督の努力が、ライダーを大きく育てているのだと納得の1日になりました。


 全日本ロードレース選手権開幕は4月5日にツインリンクもてぎで開催。岡本、豊島のST1000挑戦、ST600では、恵斗、真生騎、横山が参戦。全日本モトクロス第3戦関東大会は5月15日〜16日、オフロードヴィレッジで開催されます。佐竹が参戦です。