ヤマハ提供
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 今回はスーパーバイク世界選手権(WSB)に参戦する野左根航汰(GRT Yamaha WorldSBK Team)の開幕直前インタビューをお送りします。これまでに4度のテストを終え、いよいよ今週末(5月21日〜23日)にスペイン・アラゴンで開幕戦を迎えます。今の心境を聞きました。

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 −生活は?

 野左根航汰「ヤマハの本拠地があるイタリアのモンツァサーキットのそばにある町のアパートで一人暮らしです。ロックダウンが続いていて、食事はテイクアウトか自炊。これまで料理はしたことがなかったですが作るようになって、それが楽しみになりつつあります。近くにホテルのジムがあって、今は人がいないので集中できて、トレーニングの時間が増えました」

 −ロードレース世界選手権(WGP)モト2やモトGP、世界耐久選手権への代役参戦やスポット参戦経験があり、海外レースへの不安はないのでは。

 「その経験や感覚はプラスだと思いますが、スポット参戦とレギュラー参戦では意識が違います。日本代表という気持ちもありますし、送り出してくれた人たちの期待も感じ、それに応えなければならないと強く思います。覚悟が違うという気がします」

 −野左根選手を見出したチームノリック監督の阿部光雄氏が、「野左根は順応性が高く度胸もあり、すぐに活躍するはず」と言っていました。

 「はい、ハードルを滅茶苦茶上げてくれていると話を聞きます(笑)。そうなるように頑張るしかないと思っています」

 −ここまで4回のテストの感触は?

 「全日本ではブリジストンタイヤとカヤバ(KYB)、WSBはピレリタイヤとオーリンズと、サスペンション、タイヤとメーカーが変わって、足回りに関しての変更度が大きく、それをどう自分のものにしていくのかが課題で、それに取り組んできました」

 −4月に行われたカタルニアテストでは、フルメンバーが揃ってのテストでしたね。

 「2日間で160ラップ以上を走り、コースとタイヤに慣れることに重点を置きましたが、トップのジョナサン・レイ選手とのタイム差は1秒ちょっとあり、自分は15番手。やはり、レイ選手は別格の速さ、強さを感じました。その差を詰めていかなければならない。アベレージを上げないと実戦では厳しいものになると実感しました」

 −その準備は整いましたか?

 「カタルニアとミザノは、パッと乗って、それなりのペースで走ることができましたが、アラゴンは難しいと感じました。コースによってメーカーの特徴が出るように思います。もちろん、全てのコースで力を発揮することが必要ですが、まずはヤマハの強みを発揮できるコースを見極めて勝負します。ここまで準備をしてきましたが、実戦でなければ分からないことも多いと思うので、本番を重ねて、経験を積んで、力を付けていくしかないと思っています」

 −目標は?

 「表彰台に上がりたい。そのチャンスを作れるようなレースを心がけます。スケジュールが変更されて、開幕が遅れましたが、いよいよ始まると思うと、早く走りたい、レースがしたいと思います。新型コロナウイルスの影響が続き、大変な状況にいる人たちがまだたくさんいると思います。その中でも、レースができることに感謝して、大事に挑みたい。いい報告ができるように全力を尽くします」

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 〇野左根航汰 1995年10月29日生まれ。千葉県出身。故阿部典史が立ち上げた「チームノリック」出身。阿部の父光雄監督の元でレース参戦。2013年全日本JGP2チャンピオン。2012年と2013年WGPモト2にスポット参戦。2017年ヤマハファクトリー入りJSB1000ランキング5位。EWC参戦。モトGP代役参戦。2018年JSB1000ランキング4位。2019年同ランキング3位。2020年同チャンピオン。2021年WSB参戦。
 これまでのテストやオフシーズンの過ごし方は、野左根航汰特設ホームページでしっかりチェックできますので、そちらも合わせて見てもらえるといいなと思います。レポート、ブログと充実のラインナップです。