これまでの第3戦を振り返り
ヤマハ提供
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 新型コロナウイルスの感染が未だ続く中で、世界の舞台で奮闘するライダーたちのことをコラムに書けたらと思っています。まずは、スーパーバイク世界選手権(WSB)にデビューした野左根航汰。昨年2020年の全日本ロードレース選手権最高峰クラスJSB1000のチャンピオンとしてWSB参戦を果たした今季、すでにスペインのアラゴン、ポルトガルのエストリル、イタリアのエミリア・ロマーニャと3戦を終えました。

 開幕戦アラゴンラウンドでは、2度の事前テスト(4月)でが「前半戦では一番苦戦するのではないか」と、攻略の難しさを口にしていました。野左根にとっては初めてとなる予選形式(スーパーポール)でしたが、自己ベストを更新し16番手を獲得。決勝レース1では、スタートを決めて14位でチェッカーを受けました。

 さらに10周のスーパーポール・レースでは、小雨が降る中、走り出しで接触があってポジションダウンしましたが、そこから挽回し9番手獲得、レース2のグリッドを上げます。

 その後のウエット宣言が出された決勝レース2は12位でチェッカーし、3戦すべてでポイントを獲得したのです。
 続く第2戦エストリルラウンドは初走行となるサーキット、そこでの予選走行で大クラッシュを喫しますが、メディカルチェックを受けて幸い大事に至らず。そのまま走行を続け自己ベストを更新し、18番グリッドから決勝レース1で15位、スーパーポール・レースも15位、決勝レース2は13位でチェッカーを受けました。

 そしてチームの地元でもある第3戦エミリア・ロマーニャラウンドでは、14番グリッドから決勝レース1に臨み、A・ロカテリ(ヤマハ)、M・ファン・デル・マーク(BMW)、チームメイトのG・ガーロフら、トップライダーたちとバトルを繰り広げ、レース終盤にL・ハスラム(ホンダ)と激しいバトルを展開、見事に競り勝ち13位チェッカー。スーパーポール・レースは12位、決勝レース2はT・サイクス(BMW)とバトルを展開して13位。現在ランキング15位です。

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 先日の全日本ロードレース選手権第4戦・筑波戦(6月19日〜20日)で、野左根のWSB序盤戦を見てきた、ヤマハのレース責任者・堀越慶太郎部長に会うことができ、その印象を聞きました。

 堀越部長は「日本のチャンピオンが来たとチームは大歓迎の様子でした。欧州でのモータースポーツの関心度の高さから考えると、大谷翔平がメジャーリーグに渡ったときのイメージに近いと思います。それゆえに大事にしようとしていて、開幕戦では、(チームメイトの)ガーロフがピンピンにセットしたのに対して、野左根は少しマイルドなセットで送り出したのですが、野左根はレース1を終えるとガーロフに近いものにしたいと申し出て、その意見を通しました。チームも受け入れ、その関係はより良いものになったと感じました。結果はまだ出ていないですが、滑り出しとしては上出来でしょう。これからが楽しみです」と教えてくれました。
 野左根航汰スペシャルサイトでは、レースごとに野左根のコメント動画で見ることがができます。第3戦を終えた野左根にはヒゲがあって、ちょっとワイルドになった表情も見ることができました。また、私的には、ブログコーナーでチームノリック時代の阿部光雄監督(ノリックの父)、ヤマルーブ時代の難波恭司監督、ファクトリー時代の吉川和多留監督がそれぞれに野左根の成長や期待を語っていて、とても興味深かったです。

 野左根は現在イタリアで一人暮らし。部屋を決める時に、見晴らしの良い部屋とキッチンが広い部屋のどちらかが良いかと聞かれ「料理に挑戦しようとキッチンの広い部屋にした」と言います。得意料理はムール貝をガーリックで炒めたパスタだそうです。
 そしてなんと、この部屋はWSBのスーパースターとして活躍した芳賀紀行と同じなんです。活躍も同じく期待してしまいます。初めての一人暮らしの中で、すでに3戦終えて、9レースを消化。ここからさらに未知のサーキットが続きますが、経験を重ねて、進化して行く野左根を見ることができると思います。

 次は7月2〜4日のイギリス・ドニントンパーク。高速サーキットとクイックでタイトなコースという二つの特徴を持つ難所をどう攻略して行くのか、楽しみにしています。