佐藤洋美撮影
佐藤洋美撮影
 もう今シーズン開幕が待ちきれませんが、今季の活躍期待値マックスのライダーたちが参戦して行われた「レン耐」のことを書かせてもらいます。

 2022年12月25日、世の中はクリスマスで盛り上がっている時期に、さいたま市のサーキット秋ヶ瀬で「Honda Racingu杯 Let’sレン耐4時間」が開催されました。青木拓磨が主催する「レン耐」は、バイクがなくても、ツナギがなくても、ブーツがなくても、すべて借りることができるため、レンタルの“レン”、長くレースを楽しむための耐久の“耐”で、「レン耐」なのです。手軽さが魅力で、バイク初心者からベテランライダーまで、年齢も性別も関係なく、誰もが楽しめるレースとして始まり、今年で19年目を迎えます。2021年は37回開催され、参加人数は2772名、2022年は36回開催で2946名が参加。8年連続で2000人超えと、毎年その数が増えている人気バイクレースです。
 レン耐は、50回以上参加しているライダーが対象のマイスタークラスや他にはグロム5クラス、グロム125クラスと3つに分けられます。今回は15チーム、57名が参加して行われました。注目はグロム5クラスに参戦した「ほんだれーしんぐ」で、メンバーはホンダの関係者。初参加は若林慎也さん、鈴木淳さん、モト3ライダーの古里太陽選手、参加2回目がブリティッシュスーパーバイクの水野涼、佐藤朋則さんで計5名。対するは「チームHiroshキッチンwithソードー」、ブリヂストンで国内外のレースを支えていた山田宏さん、全日本JSB1000の濱原颯道選手、ST600の伊藤元治選手、モータージャーナリストの先川知香さんのラインナップです。

 レン耐は、速いからといって勝てる訳ではなく、さまざまなルールが設けられ、みんながレースを楽しめる工夫がなされています。例えば、転倒したら罰金5000円で車検を受けてOKが出ないとコース復帰できなかったり、女性ライダーはピンクのビブスを着用し、レディーファーストのルールがあったり、無理にパッシングして転倒させたら失格、という厳しいもの、コースイン時にゲームをクリアしないとゲートが開かない、ガソリンの量が決められ燃費にも気を使わないとチェッカーを受けられない、などさまざま。

 そのため、速さにこだわるライダーたちは、ファステストラップを記録することに勝負をかけます。その気持ちを尊重するチームメイトは燃費走行で繋ぎ、アタックできる状況をつくろうと周回を重ねます。2021年、イデミツアジアタレントカップで史上初の全戦全勝達成し、2022年からモト3に参戦する規格外のライダー、古里選手のアタックは大きな注目を集めていました。
 実際に古里選手は気合十分で、緊張感あふれる佇まいで本気モード。水野選手に「おい、GPの予選じゃないんだから」と声をかけられほどで、参加者も観客も大注目していました。

 古里選手に走行順が回ってくると、見事に33秒713のトップタイムを記録、大喝采が上がります。ですが、最後の走行に出た伊藤選手が33秒687を記録、古里選手のタイムをわずか上回ります。伊藤選手は「最後にクリアラップが取れたから」と謙遜しますが、古里選手は悔しさ全開。それでもそのちょっと不機嫌な表情に「かわいい〜」と声援が飛んでいました。
 若林さんは「25年ぶりのレース参加でした。女性ライダーを抜くときにはプレッシャーもあり、緊張感がありましたが、初心者から太陽のようがライダーまでが楽しめるレースですね」と語り、全日本ライダーだった経験もある鈴木さんは「ハードルが高くなく、仲間とできるレースで、はまりそう。アクシデントも含めて楽しめました」と笑顔でした。佐藤さんは「燃費走行でしたが、楽しく走りました。太陽が速くてカッコ良かったね〜」と古里選手を称賛していました。

 熱烈なファンが応援に駆け付けていたイケメンライダーの水野選手も「古里選手はバイクへの取り組み方がすごく真面目で、いい子。純粋で人見知りしないし、絶対に人気が出る。スターになるよ。このまま育ってほしい」と太鼓判を押していました。古里選手は「楽しかったけど…。絶対、俺が1番速かった…」と悔しそうで、チームメイトから「そう、お前が1番だよ」と慰められていました。
 伊藤選手は「3日前、クリスマスだけどどうせ予定ないだろうって、濱原選手から連絡がきて、予定ないけど…っていうことで参加することに。初めてでしたが、楽しかった」と、ファステストラップを記録した彼も一気に注目度を上げていました。

 レースはチーム「Super Hot Curry」が勝利。主催の青木拓磨は「2023年もレン耐を楽しんでほしい」と、晴天に恵まれた冬の一日を締めくくりました。

 今季の動向が気になる水野選手も濱原選手も「発表を待っていて下さい」とのこと。古里選手はモト3、伊藤選手は全日本ST600に参戦が決まっています。彼らはレン耐で新たなファンを獲得し、今季の活躍を誓っていました。水野選手、濱原選手の発表もとても待ち遠しいです。